» 途切

「途切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

途切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
はいがしている。 「おい。」 泣き声は急に聞えなくなった。と思うとすぐにまた、途切《とぎ》れ途切れに続き出した。 「おい。敏子《としこ》。」 半ば体を起した....
」より 著者:芥川竜之介
燈の光に満ちた、墓窖《はかあな》よりも静な寝室の中には、やがてかすかな泣き声が、途切《とぎ》れ途切れに聞え出した。見るとここにいる二人の陳彩は、壁際に立った陳彩....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
儀がござる。御聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《うなず》いた。すると甚太夫は途切《とぎ》れ途切れに、彼が瀬沼兵衛をつけ狙《ねら》う敵打の仔細《しさい》を話し....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いかと思うんですがね。」 「そうか。」 賢造は何か考えるように、ちょいと言葉を途切《とぎ》らせたが、やがて美津に茶をつがせながら、 「お前も勉強しなくっちゃい....
路上」より 著者:芥川竜之介
くないような、一種の慌《あわただ》しさを感じずにはいられなかった。殊に俊助は話が途切れると、ほとんど敵意があるような眼で、左右の人影を眺めながら、もどかしそうに....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》はしばらく黙っていた。するとまた思兼尊《おもいかねのみこと》が彼の非凡な腕力へ途切《とぎ》れた話頭を持って行った。 「いつぞや力競《ちからくら》べがあった時、....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
、無言のままお敏の顔を見返しました。それからお敏が、自分も新蔵の側へ腰をかけて、途切《とぎ》れ勝にひそひそ話し出したのを聞くと、成程二人は時と場合で、命くらいは....
或る女」より 著者:有島武郎
で内田の書斎にはいって行った。しばらくすると嘆息しながら物をいうような内田の声が途切途切れに聞こえた。「上げるのは勝手だがおれが会う事はないじゃないか」といっ....
或る女」より 著者:有島武郎
は拙《つたな》いやりかたであるのを歯がゆくは思いながら。 古藤はしばらく言葉を途切らしていたが、また改まって葉子のほうに話しかけた。 「そう改まらないでくださ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
た。 「借りればいいでねえか」 「銭子《ぜにこ》がねえかんな」 会話はぷつんと途切《とぎ》れてしまった。帳場は二度の会見でこの野蛮人をどう取扱わねばならぬかを....
星座」より 著者:有島武郎
心を押し鎮《しず》めて、いつもどおりの静かな言葉に還りながら言いだした。 「話が途切《とぎ》れましたが、……僕は今学校の鐘の音に聞きとれていたもんですから……あ....
親子」より 著者:有島武郎
いのです」 「お前のような薄ぼんやりにはわかるまいさ」 二人の言葉はぎこちなく途切れてしまった。彼は堅い決心をしていた。今夜こそは徹底的に父と自分との間の黒白....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
して眺めている。ヤコフ・イリイッチは忘れた様に船渠の方を見遣って居る。 話柄が途切れて閑とすると、暑さが身に沁みて、かんかん日のあたる胴の間に、折り重なってい....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
舎から低くぶつぶつ聞えてきたが、蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途切れて、先生の、まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞え....
活人形」より 著者:泉鏡花
あらむかし。活命てだにあるならば、おッつけ救い得させむずと、漫に憐を催しぬ。談話途切れて宿の亭主は、一服吸わんと暗中を、手探りに、煙管を捜して、「おや、変だ。こ....