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途切れ
「途切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
途切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
。
「おい。」
泣き声は急に聞えなくなった。と思うとすぐにまた、途切《とぎ》れ
途切れに続き出した。
「おい。敏子《としこ》。」
半ば体を起した男は、畳に片肘....
「影」より 著者:芥川竜之介
、墓窖《はかあな》よりも静な寝室の中には、やがてかすかな泣き声が、途切《とぎ》れ
途切れに聞え出した。見るとここにいる二人の陳彩は、壁際に立った陳彩も、床に跪いた....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《うなず》いた。すると甚太夫は途切《とぎ》れ
途切れに、彼が瀬沼兵衛をつけ狙《ねら》う敵打の仔細《しさい》を話し出した。彼の声....
「路上」より 著者:芥川竜之介
くないような、一種の慌《あわただ》しさを感じずにはいられなかった。殊に俊助は話が
途切れると、ほとんど敵意があるような眼で、左右の人影を眺めながら、もどかしそうに....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
えました。それからお敏が、この雷雨の蓆屋根の下で、残念そうに息をはずませながら、
途切れ途切れに物語った話を聞くと、新蔵の知らない泰さんの計画と云うのは、たった昨....
「或る女」より 著者:有島武郎
で内田の書斎にはいって行った。しばらくすると嘆息しながら物をいうような内田の声が
途切れ途切れに聞こえた。「上げるのは勝手だがおれが会う事はないじゃないか」といっ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ような事をしたり顔にいい聞かした。小作者らはけげんな顔をしながらも、場主の言葉が
途切れると尤《もっと》もらしくうなずいた。やがて小作者らの要求が笠井によって提出....
「星座」より 著者:有島武郎
葉が聖書にある……あれだ。
深い綿雲に閉ざされた闇の中を、霰《あられ》の群れが
途切れては押し寄せ、
途切れては押し寄せて、手稲山から白石の方へと秋さびた大原野を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も恐れ入ります。」 「旨くはありませんよ、どうせ、お手製なんですから。」 少し
途切れて、 「お内ですか。」 「はい、」 「主税さんは……あの旦那様は、」 と....
「親子」より 著者:有島武郎
いのです」 「お前のような薄ぼんやりにはわかるまいさ」 二人の言葉はぎこちなく
途切れてしまった。彼は堅い決心をしていた。今夜こそは徹底的に父と自分との間の黒白....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
して眺めている。ヤコフ・イリイッチは忘れた様に船渠の方を見遣って居る。 話柄が
途切れて閑とすると、暑さが身に沁みて、かんかん日のあたる胴の間に、折り重なってい....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
似合う。よ。頼むから。」 と、かさに掛って、勢よくは言いながら、胸が迫って声が
途切れた。 「後生だから。」 「はい、……あの、こうでございますか。」 「上手だ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
赤らめながら、変な顔をして座中を※すと、誰も居ないで寂として、釜の湯がチンチン、
途切れてはチンという。 手持不沙汰に、後退にヒョイと立って、ぼんやりとして襖が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
舎から低くぶつぶつ聞えてきたが、蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが
途切れて、先生の、まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞え....
「活人形」より 著者:泉鏡花
あらむかし。活命てだにあるならば、おッつけ救い得させむずと、漫に憐を催しぬ。談話
途切れて宿の亭主は、一服吸わんと暗中を、手探りに、煙管を捜して、「おや、変だ。こ....