途切れる[語句情報] » 途切れる

「途切れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

途切れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
くないような、一種の慌《あわただ》しさを感じずにはいられなかった。殊に俊助は話が途切れると、ほとんど敵意があるような眼で、左右の人影を眺めながら、もどかしそうに....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ような事をしたり顔にいい聞かした。小作者らはけげんな顔をしながらも、場主の言葉が途切れると尤《もっと》もらしくうなずいた。やがて小作者らの要求が笠井によって提出....
星座」より 著者:有島武郎
いだった。といって彼の書見に反対を称《とな》える理由はさらにないのだ。 話題が途切れると、園は静かな口調で、今まで読んだところを人見に話し始めたが、人見にとっ....
党生活者」より 著者:小林多喜二
った。私はそれを不思議に眺《なが》めた。 私達は色々と用事の話をした。その話が途切れると、女はモジ/\した。二人ともこの前の話を避け、それを後へ後へと残して行....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出逢って以来、辻駕籠屋の勘次は怯気づいて商売を休んでいるらしかった。女房の悪態の途切れるのを待って、七兵衛はそっと声をかけた。 「ごめんなさい」 「誰ですえ」と....
春昼」より 著者:泉鏡花
よ。」 「そうしたもんです。」 「ははは、如何にも、」 と言ってちょっと言葉が途切れる。 出家の言は、聊か寄附金の勧化のように聞えたので、少し気になったが、....
転機」より 著者:伊藤野枝
、私には何となくむずがゆく皮肉に聞こえた。先刻から眼前の景色に馴れ、真面目な話が途切れると、他に人目のない道を幸いに、私は彼に向って甘えたり、ふざけたりして来た....
雑記帳より(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
始めのうちは引切りなしに続いてくるが三十分もたつと一時まばらになりやがてちょっと途切れる。またひとしきりどかどかと続いて来るかと思うとまたぱったり途絶えるのであ....
黒点」より 著者:豊島与志雄
るの、そんなことまで聞いて。あたしはお清ちゃんの番人じゃないよ。」 暫く話声が途切れると、父は云い訳でもするように口籠っていた。 「なあに……よく聞いておかな....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
の方でも、李の逸話を少しした。そして二人は旧知のように話しあったが、ふと、言葉が途切れると、李の映像が大きく浮んでき、三日も四日も何処で何をしてるかと再び心配に....
火の扉」より 著者:岸田国士
いるという、そのことにある場合、軍隊を動かすことは愚の骨張だ」 言葉がしばらく途切れる。 「うん、愚の骨張だ……」 と、一徳は繰返して、またしばらく天井を仰....
光は影を」より 著者:岸田国士
るばかりで、そこにはいささかも警戒の色を示してはいなかつた。事実、二人の話が急に途切れると、彼は、 「なにしろ、東京から一足飛びにこんな田舎へやつて来て、これも....
」より 著者:岡本綺堂
て、温かい茶をのみながらあたりの春景色を眺めていると、さっきから婆さんと客の話の途切れるのを待っていたらしく、店さきの山桜の大樹のかげから、ひとりの男が姿をあら....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
ひとことでよいから信ずると云って下され。ひとこと、信ずると…… 翁の言葉がふと途切れる。すると、翁の姿は濃い蒼色の光に照らされ始めた。白銀の斧がその手に異様に....
不在地主」より 著者:小林多喜二
いうちに、バアの女給をしているという噂になって、健の耳に戻ってきた。 ……話が途切れると、泥濘を歩く足音だけが耳についた。田の水面が、暗い硝子板のように光って....