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「逗留〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逗留の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
あった、その療治《りょうじ》を頼んだので。 もとより一室《ひとま》を借受けて、逗留《とうりゅう》をしておったが、かほどの悩《なやみ》は大事《おおごと》じゃ、血....
婦系図」より 著者:泉鏡花
この御返事……と申しまするより、むしろ黄道吉日をば待ちまして、唯今もって、東京に逗留いたしておりまする次第で。はあ。御令室の御言葉一ツで、」 と、意気込んで、....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
れは、その翌日の晩、おなじ旅店の、下座敷でのことであった。…… 境は奈良井宿に逗留した。ここに積もった雪が、朝から降り出したためではない。別にこのあたりを見物....
春昼」より 著者:泉鏡花
お姿を、あれからお見受け申して、あとを慕って来ましたほどで。 時に、どちらに御逗留?」 「私? 私は直きその停車場最寄の処に、」 「しばらく、」 「先々月あた....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
四十ぐらいな――後で聞くと主人だそうで――質素な男が出迎えて、揉手をしながら、御逗留か、それともちょっと御入浴で、と訊いた時、客が、一晩お世話に、と言うのを、腰....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ったは、民が塗炭に苦んだ、戦国時代の駆落めく。 「何か、お前が出会した――黒門に逗留してござらしゃる少え人が、手鞠を拾ったちゅうはどこらだっけえ。」 「直きだ、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
附いて、参宮が出来るというのも、お伊勢様の思召、冥加のほど難有い。ゆっくり古市に逗留して、それこそついでに、……浅熊山の雲も見よう、鼓ヶ|嶽の調も聞こう。二見じ....
女客」より 著者:泉鏡花
これはあるじの国許から、五ツになる男の児を伴うて、この度上京、しばらくここに逗留している、お民といって縁続き、一蒔絵師の女房である。 階下で添乳をしていた....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
寮が、汽車を棄てたのは、かしこで、その高崎であった。 「さようで。――お一方|御逗留、おさみしそうなその方にも、いまの立山が聞かせたいと、何となくそのお一方が、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の。先の呉服屋が来たんでしょう。可哀相でね、お金子を遣って旅籠屋を世話するとね、逗留をして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
です。お一ついかが……そういってどうかすると、お客にお酌をした事もあるんです。長逗留の退屈ばらし、それには馴れた軽はずみ……」 歎息も弱々と、 「もっとも煩い....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
盛夏|三伏の頃、唯今はもう九月中旬、秋の初で、北国は早く涼風が立ますから、これが逗留の客と云う程の者もなく、二階も下も伽藍堂、たまたまのお客は、難船が山の陰を見....
黒百合」より 著者:泉鏡花
した。その夜賊のためにのこらず金子を奪われて、明る日の宿料もない始末。七日十日|逗留して故郷へ手紙を出した処で、仔細あって送金の見込はないので、進退|谷まったの....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
春秋の潮時でもござりましょうか。――大島屋の大きいお上が、半月と、一月、ずッと御逗留の事も毎度ありましたが、その御逗留中というと、小一の、持病の坐睡がまた激しく....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
風で。……ですから、私は嬉しくなって、どこを見物しないでも、翌日も一日、ゆっくり逗留の事と思ったのです。 それに、とにかく、大笹鉱泉と看板を上げただけに、湯は....