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「這々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

這々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
のように曲った平太夫は、若殿様の御文をつけた花橘《はなたちばな》の枝を肩にして、這々《ほうほう》裏の御門から逃げ出して参りました。所がその後からまた一人、そっと....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
だんに恐怖と共に迫って来るので、恐ろしさの余りに初めの意気組などはどこへやらで、這々のていで逃げ帰ってしまった。したがって、彼が荒野で何をしていたか判らなかった....
大脳手術」より 著者:海野十三
ない彼の仇し男は一体誰であろうか。どんな顔をしている男だろうか。 無間地獄這々の体で逃げ出した私は、さすがに追跡が恐しくなって、その夜は鳴海の家を叩いて、....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
た一人の脳天を烏帽子越しに撃ち砕いた。それを介抱するひまもなしに、ほかの者どもは這々のていで逃げ散った。 「火を焚け……。早く、早く……。」 もとの辻堂の前ま....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たので、相手も少し気を呑まれたのでしょう、おまけに酔っているから迚もかなわない。這々の体で起きつ転びつ逃げてしまったので、まあその場は納まりました。梅の井の家内....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
失敗した探検隊のひき上げをいう言葉だろう。ダネックは、基地の察緬《リーミエン》へ這々《ほうほう》の体でもどってきた。ここは、折竹が三年もいる土地である。西雲南の....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
、不足に思うわけはない筈だ」と、容易に信じなかったが、事実だと知ると、周章して、這々の体で、間道を京都に引き上げた。此の時、木下藤吉郎承って殿りを勤めた。金ヶ崎....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
ら高飛車に出られては、口を出す機会さえなかった。 で、仕方がないというよりも、這々《ほうほう》の体《てい》で本陣を退って、越前勢の陣所へ帰って来たものの、主君....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
たしが物を訊ねましたところの、尊げな尼僧様でありましたとは。 八這々の態で捕吏たち一同が、斗丈庵から立ち去った後、わたしたちは奥の部屋へ集まりま....
足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
て、死んでしまふから出してくれ、今でると治らないよ、治らなくとも死ぬよりいゝよ、這々のていでころがりでゝ帰つてきたといふ話がある。 一日タンクの中で唸つて出て....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ない事でございます、此の畜生め/\サッサと早く出て行け」 と云われて、二人とも這々の体にて荷拵えをなし、暇乞いもそこ/\に越後屋方を逃出しましたが、宇都宮明神....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
え」 と握拳を固めてこん/\と続けて二つ打つ。 甲「誠に先程は御無礼で」 と這々の体で逃げて行くと、弥次馬に追掛けられて又打たれる、意気地のない事。 織「ど....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
が、胡麻の灰だと云う事だ、ぐず/\すると手打にするぞ」 と云われて両人の悪者は這々の体で逃げて行きます。後に親子三人の者は大喜びにて、マア兎も角もお礼を申した....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
と敦圉《いきま》きまするので、流石の勘太も親という一字には閉口致しましたか、這々《ほう/\》の体《てい》で逃げて仕舞います。そこで甚兵衞爺さんお若さんを我家....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
御無用でござるぞ」 と追立てられまして、蟠龍軒、お瀧の両人は目算がらりと外れ、這々の体で其の儘逃帰りました。悪事千里とは好う申したもの、何時しか此の事がお上の....