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通り一遍
「通り一遍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通り一遍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
それが自分に対してはいつもまじめ過ぎるほど堅気らしく附き合っているのは、さすがに
通り一遍の客とも思っていないのであろうかというような、一種のうぬぼれも林之助をそ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
文明の後進者であるわれわれが、この偉大な生産力の大拡充を強行するためには、普通の
通り一遍の方式ではダメです。何とかして西洋人の及ばぬ大きな産業能力を発揮しなけれ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
のであった。 「やあ、先生寄ってらっしゃい」 けれども、その挨拶振りは義理か、
通り一遍のものだった。どの店の人間も彼の当身の多い講釈には参らされていた。 「寄....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
さしていた。折角、口が綻びかけていたジュジュも、仲間の一人に入り混ってしまうと、
通り一遍の遊び女になってしまって、ただ、空疎な微笑を片頬に装飾するに過ぎなかった....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
お蚕さまに食わせたくないと念じている。それを考えると「どうも困ります」も、決して
通り一遍の挨拶ではない。ここらの村や町の人たちに取っては重大の意味をもっているこ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
新板、柳亭種彦作、歌川国貞|画――奇妙頂礼地蔵の道行――を、ご一覧になるがいい。
通り一遍の客ではなく、梅水の馴染で、昔からの贔屓連が、六七十人、多い時は百人に余....
「科学に志す人へ」より 著者:寺田寅彦
ような気のすることもある。どうも個々の人間の頭の中の考えの歴史は不思議なもので、
通り一遍の理窟や下手な心理分析などを遥かに超越したものではないかと思われる。 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
とだったし、たまたま顔をあわせることがあっても、 「おとなしくするんだよ。」と、
通り一遍の、冷やかな注意を与えるぐらいで、大ていは、正木の老夫婦と、ひそひそと相....
「墓」より 著者:秋田滋
わたくしは、肉体的な愛慾とか、あるいはまた尋常一と通りの精神的な愛情、そのような
通り一遍の気持で愛していたのではございません。わたくしは、何ものをもってしても代....
「キド効果」より 著者:海野十三
下部から周囲一面を真赤に染めた。 さてこれは本来ならば、大した問題にもならず、
通り一遍の刑事問題として扱われ、適当な人間が犯人と名乗り出て処刑されれば済む筈だ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
長を横に坐らせて彼女は平常よりも権威のある胸の張り方をした。小田島の挨拶にはもう
通り一遍の目礼だけしかしなかった。 車が動き出そうとする時、賭博場の切符台の男....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
た。 が、その女は何者である乎、現在何処にいる乎と、切込んで質問すると、「唯の
通り一遍の知り合いだからマダ発表する時期にならない、」とばかりで明言しなかった。....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
葉をお蚕様に食わせたくないと念じている。それを考えると「どうも困ります」も決して
通り一遍の挨拶ではない。ここらの村や町の人たちに取っては重大の意味を有っているこ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
もんだったろう。 が、沼南の「復たドウゾ御ユックリ」で巧みに撃退されたのは我々
通り一遍の面識者ばかりじゃなかった。沼南と仕事を侶にした提携者や門下生的関係ある....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
事を聞きたいといったところが、西は頗る冷然として二葉亭とはホンの同窓というだけの
通り一遍の浅い関係だからその頃の事は大抵忘れてしまったといういたって率気ない挨拶....