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通り言葉
「通り言葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通り言葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
子《まいご》が帰って来た」と云った。嫂《あによめ》はただ「いらっしゃい」と平生の
通り言葉寡《ことばずくな》な挨拶をした。この間の晩一人で尋ねて来た事は、まるで忘....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
……」 と繰りかえすように附け加えた。 この精神家というのは、軍隊での一種の
通り言葉で、忠君とか愛国とかのいわゆる軍人精神のおかたまりを指すのであった。十分....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
的範疇は哲学的範疇ではない 存在論という言葉は、今日の割合新しい哲学では一つの
通り言葉になっている。だが吾々はこの言葉をもっと対立的な意識の下に、明晰に使わな....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
来よう。
だが、物質に就いての哲学的概念は無論そのような俗語や又は啓蒙的な
通り言葉に、完全に制約されて了うことは許されない。自然科学的範疇としての物質であ....
「中里介山の『大菩薩峠』」より 著者:三田村鳶魚
た作者にとっては、何の造作もない、まことに危なげのないところでゆける。しかし例の
通り言葉遣いや何かの上には、おかしいところがある。それから武家の生活ということに....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
壇したときには、そろそろ聴衆は帰りかけている。次に頼母木が登壇したが頼母木は例の
通り言葉少なの方であったから、聴衆の人気は三木ほどには行かなかった。 その翌日....
「軽女」より 著者:上村松園
い哀れな運命をになった女性は他にないであろう。 お軽は二階でのべ鏡という、――
通り言葉に想像される軽女には、わたくしは親しみは持てないが、(京都二条寺町附近)....
「涙香に還れ」より 著者:野村胡堂
熱が高まり、一時「涙香の書くような悪人が書けたら」ということが、探偵作家の一つの
通り言葉になった時代さえあった位である。 その後太平洋戦争の真っ最中、筆を執る....