通人[語句情報] » 通人

「通人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
してあるんだ。その上そこにいる若槻自身も、どこか当世の浮世絵《うきよえ》じみた、通人《つうじん》らしいなりをしている。昨日《きのう》も妙な着物を着ているから、そ....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ます》、熱心に推服の意を洩《もら》し始めた。その子供らしい熱心さが、一党の中でも通人の名の高い十内には、可笑《おか》しいと同時に、可愛《かわい》かったのであろう....
弓町より」より 著者:石川啄木
な議論であった。しかしこの議論には、詩そのものを高価なる装飾品のごとく、詩人を普通人以上、もしくは以外のごとく考え、または取扱おうとする根本の誤謬《ごびゅう》が....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
も無い遊民と見られていても当然の事として少しも怪まなかった。加うるに持って生れた通人病や粋人癖から求めて社会から遠ざかって、浮世を茶にしてシャレに送るのを高しと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りましたが、かねて想像して居たのとは異って、格別鼻が高い訳でもなく、ただ体格が普通人より少し大きく、又眼の色が人を射るように強い位の相違で、そしてその総髪にした....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
を知った。私の家は商家だったが、旧家だったため、草双紙、読本その他|寛政、天明の通人たちの作ったもの、一九、京伝、三馬、馬琴、種彦、烏亭焉馬などの本が沢山にあっ....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
。大抵の作品は「ありゃ駄目だよ」と云う。 七、月評に忠実なる事。 八、半可な通人ぶりや利いた風の贅沢をせざる事。 九、容貌風采共卑しからざる事。 十、精....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ひと癖もふた癖もあったが、根が町家生れで如才なく、馬琴と違って酸いも甘いも心得た通人だったから人をそらすような事は決して做なかった。『優曇華物語』の喜多武清の挿....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
なっております。 これらは、ほぼその理由を推考することができまするが、少しく普通人の考えをもって解し難いと思うのは、人の吉凶禍福を卜することである。これは、一....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ョロヒョロ男と限らないでも二葉亭は小説家型ではなかった。文人風の洒脱な風流|気も通人気取の嫌味な肌合もなかった。が、同時に政治家型の辺幅や衒気や倨傲やニコポンは....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
術を学んだほどの奇才で、一と頃|町田久成の古物顧問となっていた。この拗者の江戸の通人が耳の垢取り道具を揃えて元禄の昔に立返って耳の垢取り商売を初めようというと、....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
と想像していた。尤もこういう風采の男だとは多少|噂を聞いていたが、会わない以前は通人気取りの扇をパチつかせながらヘタヤタラとシャレをいう気障な男だろうと思ってい....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
犯した不義者を心から悔悛めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似ても出来ない襟度だと心から嘆服した。 「全く君子だ。古聖賢に恥じない....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
助の手引きで松島へ「浮かれ節」を聞きにいったり、くるわへ繰込んだりするひとかどの通人気どりだった。商売仲間のなかにも一、二の遊び友だちもできた。 私は鳥居商店....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
と書いた軒灯は少なくとも僕にははかなかった。僕は勿論「橋本」の料理を云々する程の通人ではない。のみならず「橋本」へ来たことさえあるかないかわからない位である。が....