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「通俗小説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通俗小説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
―とか何とか云う理由から、このカッフェの定連《じょうれん》の間には、夙《つと》に通俗小説と云う渾名《あだな》が出来ているらしい。もっとも渾名《あだな》にはまだい....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
て行ったらしい。これはあらゆる立志譚《りっしたん》のように――と云うのはあらゆる通俗小説のように、感激を与え易い物語である。実際又十五歳に足らぬわたしは尊徳の意....
八十八夜」より 著者:太宰治
井|一《はじめ》さんは、作家である。ひどく貧乏である。このごろ、ずいぶん努力して通俗小説を書いている。けれども、ちっとも、ゆたかにならない。くるしい。もがきあが....
女の決闘」より 著者:太宰治
で無関心のように、ぼんやりしていました。それから、驚くべきことには、実にくだらぬ通俗小説ばかりを書くようになりました。いちど、いやな恐るべき実体を見てしまった芸....
島原心中」より 著者:菊池寛
上の罪を犯すというところを、なるべく本当らしく、実際ありそうな場合にしたかった。通俗小説などに、ありふれたような場合を避けたかった。自分は、そのために法律の専門....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
物足らなさを感ずるのは、その作品に道徳性の欠乏しているためではないかと思う。ある通俗小説を書く人が「通俗小説には道徳が無ければならない」と言ったという事を耳にし....
姥捨」より 著者:太宰治
そうして卑屈な復讐をとげようとしているのではないか。まさか、そんな、あまったるい通俗小説じみた、――腹立たしくさえなって、嘉七は、てのひらから溢れるほどの錠剤を....
白痴」より 著者:坂口安吾
の連中には内容がなく空虚な自我があるだけだ。流行次第で右から左へどうにでもなり、通俗小説の表現などからお手本を学んで時代の表現だと思いこんでいる。事実時代という....
俗物性と作家」より 著者:坂口安吾
が常にかくの如きものであるので、かかる在来の通念に対して一言したい。 雑誌社に通俗小説を強要されて、通俗小説しか書けないというのは作家の罪だということは、当り....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
軍人が描かれている。黄海の海戦の描写もある。しかし、出てくる軍人も戦争の状景も、通俗小説のそれで、ひどく真実味に乏しい。それに、この一篇の主題は戦争ではなく浪子....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
にあると見ても差支えないと私は思う。 先般の新聞紙上で横光利一氏が今年の傑作は通俗小説の中から現れるだろうというようなことを言われているが、これは上述の通俗性....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
ってしまって、うんざりさせられる。新派の芝居や喜劇や放送劇や浪花節や講談や落語や通俗小説には、一種きまりきった百姓言葉乃至田舎言葉、たとえば「そうだんべ」とか「....
文学的饒舌」より 著者:織田作之助
たぐらいだから、安易な態度ではじめたのだが、八九回書き出してから、文化部長から、通俗小説に持って行こうとする調子が見えるのはいかん、調子を下すなと言われたので、....
健康三題」より 著者:岡本かの子
紙ありがとう。蜜月の旅のやさしい夫にいたわられながら霧の高原地で暮すなんて大甘の通俗小説そのままじゃないか。たいがい満足していい筈だよ。今更、私をなつかしがるな....
「黒死館殺人事件」序」より 著者:甲賀三郎
人事件」一篇も彼が探偵小説を書くつもりで書いたのではないかも知れない。むろん彼は通俗小説プラストリックの探偵小説は書かないだろうし、書けそうにもないと思うが、何....