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「通力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
剣を目がけて一口の唾《つば》を吐きかけた。宝剣は唾にまみれると同時に、たちまち神通力《じんつうりき》を失ったのか、ばたりと床《ゆか》の上へ落ちてしまった。 金....
尼提」より 著者:芥川竜之介
き》の涙さえ浮べさせたのである。こう言う大慈悲心を動かした如来はたちまち平生の神通力《じんつうりき》により、この年をとった除糞人《じょふんにん》をも弟子《でし》....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の音を高く軋らせながら行き過ぎてしまった。 眼《ま》のあたりにこのおそろしい神通力を見せられて、射手の二人も遠光も息をのんで立ちすくんでいた。頼長は一人で苛《....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
(お釈迦様が亡くなってから後)の最初の五百年が解脱の時代で、仏様の教えを守ると神通力が得られて、霊界の事柄がよくわかるようになる時代であります。人間が純朴で直感....
蠅男」より 著者:海野十三
い蠅男であった。帆村探偵の出した答によると、蠅男は密室のなかに煙のように出入する通力をもち、そして背丈はおよそ八尺もある非常に力の強い人物である。だがそんな化物....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
だという。あまたの小天狗はそれがために出現したらしい。空はやがて時雨となった。神通力のない天狗どもは、雨のなかを右往左往に逃げてゆく。その父か叔父であろう。四十....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
めいめいの袖の下から、金や珠のたぐいを取出して献げました。 「おまえらもすでに神通力を具えているらしいのに、なぜかの妖怪どもに今まで屈伏していたのだ」と、李は訊....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ると、仏壇に灯が点いて、老人が殊勝に坐って、御法の声。 「……我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心……....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
老人転倒せまい事か。――やあ、緑青色の夥間に恥じよ、染殿の御后を垣間見た、天狗が通力を失って、羽の折れた鵄となって都大路にふたふたと羽搏ったごとく……慌しい遁げ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ちんと胸高なお太鼓に、一銭が紫粉で染返しの半襟も、りゅうと紗綾形見せたであろう、通力自在、姐娘の腕は立派である。 ――それにつけても、お京さんは娘であった。雪....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
懸命深い統一に入り、過去の一|切の羈絆を断ち切ることによりて、一|層自由自在な神通力を恵まれるよう、心から神様に祈願しました。それは時間にすれば恐らく漸く一|刻....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
べったりと坐った。 「小坂部。ゆるしてくれ。助けてくれ。お身にそれほど不思議の業通力があるならば、父が一生に一度の難儀を救うてくれ。頼む。救うてくれ。」 「なり....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
言葉を、茶の子でなしに噛りましたが、娘か、と思ったほど、人がらが勝っている。……通力自在、膳も盃洗もすぐ出る処へ、路之助が、きちんと着換えて入って来て、鍋のもの....
」より 著者:岡本かの子
。 ――だったら、一つ試しに詳しく聞かして呉れ給え、参考になる。そうなあ、狐には通力というものがあるそうだから、一つその嘆きを形の振りごとにして示して貰い度い。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
であり観念のことであり、賢王としての出現は現実の問題であり、仏は末法の五百年を神通力を以て二種に使い分けられたとの見解に到達した。日蓮教学の先輩の御意見はどうも....