通勤[語句情報] » 通勤

「通勤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

通勤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
はじめたが、何を焦れたか、ぐいと引断るように邪険である。 ト構内の長屋の前へ、通勤に出る外、余り着て来た事の無い、珍らしい背広の扮装、何だか衣兜を膨らまして、....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
らしい。 ◯今日は三日月だが、罹災者の姿痛々しく、街頭や電車内に見受ける。軍公務通勤者以外は切符を売らない。 ◯三月十日に焼けた区域は随分広いらしい。 わかっ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
の小林トメという中年の婦人と、被害者の弟の旗田亀之介の二人だけで、その外には毎日通勤して来て昼間だけ居合わす者として、お手伝いのお末(本名本郷末子)と雑役の芝山....
火葬国風景」より 著者:海野十三
勤め先が決っていて、八十助は丸の内の保険会社に、鼠谷の方は築地の或る化粧品会社へ通勤することになっていた。それで申し合わせをして午後の五時ごろ、二人が勤め先を退....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
だ連中を喫驚さした。然し大庭真蔵は慣れたもので、長靴を穿いて厚い外套を着て平気で通勤していたが、最初の日曜日は空青々と晴れ、日が煌々と輝やいて、そよ吹く風もなく....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
避難せねばならなかったから、殊更、何をしに工場へ通うのやらわからなかった。毎日、通勤の生徒の数が減って行った。丁度、その頃、学校の建物の大半も焼けてしまっていた....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ってヤジウマとはいかなる人種かと御紹介に及ぶと、一人は知人の家の女中(二十一二。通勤だから、夜は自由だ)、バスガール三人。これは知り合いというわけではないが、バ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のだが、あんなにシバシバ法廷がひらかれるのでは、田舎住いの私には、とてもコマメに通勤ができない。だから、本当にやってみたいと思ったことは、永久にやれそうもない運....
温浴」より 著者:坂口安吾
幸にめぐまれて食糧事情がよかったが、東京も食糧事情がよくなったので、不便を忍んで通勤していた人たちが東京へ戻りはじめたのである。 閑静で温泉もあるという家は売....
光は影を」より 著者:岸田国士
て出たのである。 午後の汽車で、彼は東京に帰つた。 翌日から、一日おきの鎌倉通勤がはじまつた。 遠矢幸造の勉強ぶりは、思つたより真剣で、記憶のわるさを補う....
三枚続」より 著者:泉鏡花
筒、瓶、徳利を持参で集るほどで。 先代の信用に当若先生の評判、午後からは病院に通勤する朝の内だけは、内科と外科としかるべき助手を両名使って、なお詰めかける患者....
わが母を語る」より 著者:上村松園
っております。 母は高倉三条のちきりやという、冬はお召、夏は帷子を売る呉服屋に通勤していた支配人の貞八の娘でした。生粋の京の町娘というわけです。 私は親は母....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
直射は一日ほんの僅かな瞬間だけ恵まれるのみであります。退社時刻には、一建築の中に通勤する数万の人達が、先を争って帰途を切り開かんと、物凄い労力と苦心が行われます....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ていった。 そこで見つけたのは神戸栄町の熊谷回漕店である。この運送屋では幹部は通勤なので、住込んでいるのは若い店員ばかり。だから夜ともなれば、えらい人のいない....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
になるものであった。しかし生活改善、簡易生活等の流行語と、実際的な必要とから洋服通勤諸子の家庭について、パンという物は決して洒落や見得ではなくなって来た。しかし....