通性[語句情報] »
通性
「通性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
まったら相手は誠に張合いの無いものとなります。悟るということは、生命の遍満性、流
通性を体証したことで、一|匹《ぴき》の鯉魚にも天地の全理が含《ふく》まれるのを知....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
「とうとうやられたなあ!」と笑って済ませるには、彼はあまりに若かった。あまりに融
通性に乏しかった。 * 開墾地の耕作は容易でなかった。若い荒々し....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い人々との交渉から身を退けて行くからだ。ニイチェは弱い人だった。彼もまた弱い人の
通性として頑固に自分に執着した。そこから彼の超人の哲学は生れ出たが、そしてそれは....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
多くの独断をまぬがれないと思うが、ともに山へ登るものである以上、ある程度までは共
通性をもっているものと信じてうたがわない。 わが国にも多くの単独行者を見いだす....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
いに地方武士の反感を買った。一時の成功にすぐ調子に乗るのは、苦労に慣れない貴族の
通性であろう。彼等はしばしば厳然たる存在である武家を無視しようとした。 北畠親....
「連環記」より 著者:幸田露伴
抜けていたりするものがあるが、右衛門は少しも然様いうところの無い、至極円満性、普
通性の人で、放肆な気味合の強い和泉式部や、神経質過ぎる右大将道綱の母などとは選を....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
くて、三高がそれらの本を取り揃える筈がない。 「これらの東西の文学書に一貫した共
通性があるのかなア。それが分ると謎がとけるかも知れないが、ワタクシは文学のことは....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
ろう。そしてきわめて制限された長さの中へ最も効果的なメロディーをもりこむ機智と融
通性がなくてはとうていこの仕事はやつて行けないだろう。 私は不幸にしてまだそう....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
まえ! おまえの言うことなぞ聞いていられるか。おまえと僕とのあいだには、なんの共
通性もないはずだ。われわれは敵同志だよ。行っちまえ、さもなかったら、どっちかが倒....
「決闘」より 著者:神西清
でしょうか。」 「知らないね。しかしその律が、あらゆる民族及び時代を通じて頗る共
通性があるところを見ると、どうやら僕には、それが人間と有機的に結合しているものと....
「秋草の顆」より 著者:佐左木俊郎
寡黙と消極的な態度とは私達一族の者の共
通性格と言ってもいいのだ。私は郷家に帰省して、二三日の滞在中、殆んど父母と言葉を....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
とはいえない。いっさいを包括してそれを現象という点からみても、いっさいの現象に共
通性のあることは予想されているのみならず、また現象の中に、共
通性の多大なものがあ....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
佐々木京助の妻|敏子は所謂新らしい女即ち新時代の女性であった。新時代の女性の
通性として、彼女は男性的の性格を多分に具え、理性が比較的発達して居た。彼女の容貌....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
的であるのであります。 多勢の子供のために、お話をする時は、子供という一般的の
通性を観察して、それを基礎に語られますが、もし少数の場合であり、たびたび、繰返し....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
す。ここに差別があります。しかし、どの川といえども水の流れてない川はない。この共
通性から言えば平等です。そして隅田川すなわち水の流れたものであり、水の流れも隅田....