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通暁
「通暁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通暁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
意気」である。「気象」である。そうして「気象の精粋」の意味とともに、「世態人情に
通暁すること」「異性的特殊社会のことに明るいこと」「垢抜《あかぬけ》していること....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――つまり六とおりの古式によっている。ところが、この鍬形五枚立の兜のみは、甲冑に
通暁している易介とは思われぬほど作法はずれなんだ。僕がいま、この事を庄十郎に訊ね....
「運命」より 著者:幸田露伴
の人、洪武十八年の試に第一を以て及第したりしより累進してこゝに至れるにて、経史に
通暁せるはこれ有りと雖も、世故に練達することは未だ足らず、侍読の身として日夕奉侍....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
です。――その目の早さ、足の早さ。 だが、女も早い。よくよく境内の地形と配置に
通暁していると見えて、今ひと息のところまで追いかけたかと思うと、するりと右に廻り....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
っている婦人ですよ。専門は整形外科です。しかしそればかりではなく、あらゆる医学に
通暁しています。世にも稀なる大天才ですね。 田内整形外科術――というのは、ヒル....
「連環記」より 著者:幸田露伴
欲したという。文はもとより、又詩をも善くし、図画、奕棋、営造、音律、何にも彼にも
通暁して、茶も此人から蔡嚢へかけて進歩したのであり、蹴鞠にまで通じていたか、其詩....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
が衰えたと云うよりか殆ど我が折れて了って貴所の所謂る富岡氏、極く世間並の物の能く
通暁た老人に為って了ったことである、更に意外なのは拙者の訪問をひどく喜こんで実は....
「「刺青殺人事件」を評す」より 著者:坂口安吾
にする必要があったか。密室にするには、トリックを仕掛けるに、時間を要し、その室に
通暁することを要し、犯人がその家の住人であることを、ほゞ確定させてしまう。犯人を....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
を菊窓偶筆と名づけ世に公にせんと欲し先生に示したれば、先生これを社員それ等の事に
通暁せる者に命じ、印刷出板の手続きより一切費用の事まで引受られ、日ならずして予が....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
智天皇以前の遺物と認むべき物がかなり多数に保存せられているのである。そして実地に
通暁する人々は、まず以てこれに眩惑せられて、為にその非再建を直覚するに至るのであ....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
の長年月間扱い慣れていたところから、所謂サンカモノの何であるかくらいの事は、よく
通暁しておったに相違ない。したがって同書に所謂「三家者」を解して、 三家者|藁履....
「審判」より 著者:カフカフランツ
判所の人々が何かただ人間愛とか友情の気持とかいったものから弁護側、もちろん事情に
通暁した弁護側、と結びついているのではない、ということも真実であって、彼らはむし....
「フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
誤りではなさそうである。 上は大使、公使、下は貧乏画家青年、その皆が日本美食を
通暁するはずのないことはいうまでもない。日本料理の真価というものがどこにあるか、....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
院の部落や、旧エタの頭村と言われた天部部落を通過する機会が多く、自然にその現状に
通暁するに及んで、もとエタ非人と並称せられ、法制上からはむしろ下位に見られた旧非....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
語したことを覚えているが、大体、今でもその考え方は変っていない。 世間、医薬に
通暁する者、病後の療養に熱心な者は、数多く見受ける所であるが、目的を健康に置き、....