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通観
「通観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
を付けられるのであるが、しかし上述のような考え方に従ってその句の近辺一帯の進行を
通観した後にその一句の役目を考え直してみると、多くの場合にわれわれはこのやや劣勢....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
ていった。冷い戦慄が全身に流れた。現在の直接印象に強く支配せらるる彼女は、前後を
通観する批判の眼を持たなかった。彼女は出来るだけ、木下と二人きりになるのを避けた....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
され、わがままは通り、今の現実にくらべれば、どっちが苛烈な戦地であるやら、これを
通観して、今、戦争が終った、などと、観念上に架空な言葉を押しつけても、四囲の現実....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
士ドン・キホーテと云ふけれども、私の方では一向に笑ひ話ではないので、戦争中の私を
通観すれば、あんまり工夫に富んではゐなかつたが、然し、ともかく、サンチョ・パンザ....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
。 それに私の立ってるところと連峰の間には、殆んど地上で想像される限りの美しい
通観《ヴィスタ》があった。赤味の勝った絨毯と壁紙で飾られた部屋のすぐ下には碧玉を....
「神経衰弱的野球美学論」より 著者:坂口安吾
ームをたのしむよりもファウルに怯える方が主であった。 然し、二週間の野球見物を
通観して、ゲームをたのしんだかと云うと、実際はたのしくなかった。精神病院の一室に....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、常に傍観者、又、弥次馬の一生であった。 しかし、私が傍観してきた裏側の人生を
通観して、敗戦後、道義タイハイせり、などとパンパン、男娼、アロハアンチャン不良少....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ってよ」 女房は、いささか、色をなして叫んだ。 過去に起ったそれらの事どもを
通観して、私のもとで生れた子供なら、私が案外喜んで育てるだろうことを女房は見てい....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
べきものではない。一面「罪悪感にかられて」というのも、正直な表現であろうと思う。
通観して、彼は自ら悪党とも思っていないし、彼女の父という人間が、彼女の父である位....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
予防的妨げの主たる部分である――と呼んでいるのである。 私は、各種の社会段階を
通観しているところで、人口を防止する上において道徳的抑制に十分の重要性を認めてい....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
おいて、その旧来の習慣をひっくるめ、さらに社会環境をひっくるめ家庭の外部と内部を
通観した上で、一家の支えとなる論理について云ってるのです。 編輯部から持ってき....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
間はケンタンでなければならないと痛感したのである。 私が今までつきあった酒友を
通観して、全体的に酒豪が多いと思うのは、力士と海軍々人である。同じ軍人でも、陸軍....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
ったのは、けだしこの時の事であったと解せられるのである。 以上叙述するところを
通観するに、我が国を日の本と称することは、つとに百済人らの間に始まり、我が国では....
「西航日録」より 著者:井上円了
壮美麗なるも、これを寺院会堂に比すれば、さまで驚くべきほどにあらず。宮内の各室を
通観するだけに二時間余を費やせり。これをもって宮城の広きを知るべし。 ロシアに....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ゆ。わが十一月ごろの快晴に同じ。しかして気候はわれよりも温暖なり。午前、植物園を
通観す。園内広闊にして、地形高低あり。かつ海湾に浜し、内外の風致、自然の美を呈す....