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通過
「通過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
きに行かない。試験は何時《いつ》も、甚《はなは》だ曖昧《あいまい》な答案を書いて
通過する、卒業論文の如《ごと》きは、一週間で怱忙《そうぼう》の中に作成した。その....
「路上」より 著者:芥川竜之介
》があった。あるいはまたややもすれば流れようとする涙があった。だからその心もちを
通過する限り、野村の眼に映じた自然や生活は、いずれも彼自身の愛の円光に、虹のごと....
「白」より 著者:芥川竜之介
羽線上《おううせんのぼ》り急行列車が田端駅《たばたえき》附近の踏切《ふみきり》を
通過する際、踏切番人の過失に依《よ》り、田端一二三会社員|柴山鉄太郎《しばやまて....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ざいません。奪《と》りましたのは水芸の滝の白糸という者の金で、桐田の門《かど》は
通過《とおり》もしませんっ」 「はて、ねえ」と甲者は眉《まゆ》を動かして、弁者を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
これには傲然として、信ずる処あるごとく、合点んだ笑い方をして、 「でも、条件さえ
通過すれば、僕は娶うよ。ははは、きっと貰うね、おい、一本貰って行くぜ。」 と脱....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
えしているのだ。 私達は幸いにして肉体の力のみが主として生活の手段である時期を
通過した。頭脳もまた生活の大きな原動力となり得べき時代に到達した。女性は多くを失....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
定したところによると太陽の輝いた表面からわずかに太陽半径の三分の一くらいの距離を
通過した。それで予期のごとくこの彗星が二二五五年に再び帰って来るときには太陽の上....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
一人旅の木賃宿に、かよわい女が紙衾の可哀さが見えた。 とばかりで、俊吉は黙って
通過ぎた。 が、筋向うの格子戸の鼠鳴に、ハッと、むささびが吠えたほど驚いて引返....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
その頭をびたり……といった爺様なのである。 二 その女学校の門を
通過ぎた処に、以前は草鞋でも振ら下げて売ったろう。葭簀張ながら二坪ばかり囲を取っ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
気分になって、再び例の小娘に導かれて玄関に立ち出で、そこからはただ一|気に途中を
通過して、無事に自分の山の修行場に戻りました。 前回の竜宮行のお話は何となく自....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
巓、聳ゆる峰を見るにつけて、凄じき大濤の雪の風情を思いながら、旅の心も身に沁みて
通過ぎました。 畷道少しばかり、菜種の畦を入った処に、志す庵が見えました。侘し....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、憚んながらこの稲荷はな、寄席へ出開帳はしねえんだ、あばよ、一昨日来い、とフイと
通過ぎたことがあるから、坊主が憎けりゃ袈裟までの筆法で、同一内の愛吉にも含んだ意....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
きん数年間、国会の審議は、ときに混乱し、ときには警官を議場に導入して、やっと案の
通過をはかるというようなことさえ起こりました。いったい、こんな凶暴な事態が、こん....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
であり、私は党務の責任者だ。野党慣れした私が当時の野党であった自由党に対抗、法案
通過や、不信任案の否決に努力したり、とかく勝手の違った感じで苦労した。西尾官房長....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
込む日の方が多かったのである。あのころは記憶力も多少よかったらしいが、入学試験の
通過はむしろ偶然であったろうと思う。しかしこれは連隊や会津の人々には大きな不思議....