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通風筒
「通風筒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
通風筒の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
胸の中《うち》に帰って来た。眼前には長い廊下のように続いた板敷がある。白く塗った
通風筒がある。柱がある。碇綱《いかりづな》を巻くための鉄製の器具がある。甲板の欄....
「海底大陸」より 著者:海野十三
、クイーン・メリー号の、なんと変りはてた姿よ。 ほばしらは折れ、船側はくぼみ、
通風筒はみにくくまがり、見るもむざんな姿であった。 船体を三色にそめていた美し....
「乳房」より 著者:宮本百合子
るうしろに、広く雲のない空が拡がり、隣のスレート屋根の上で、四つずつ二列に並んだ
通風筒の頭が、同じ方向に、同じ速さで、クルクル、クルクル廻っているのが見える。 ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ロクロ島は、いつしか元のとおりに海面に浮かび上っていた。 潮を含んだそよ風が、
通風筒をとおり私の頸筋《くびすじ》を掠《かす》めていく。 かん、かん。かん、か....
「怪塔王」より 著者:海野十三
たりしました。 「塩田さん、だいたいよく見まわりました。一番おもしろいのは、この
通風筒ですよ」 といって、博士はそばにたっている
通風筒を振返りました。この通風....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
文をもって、ボートへ戻ったはずの三鷹とも、それっきり会いません。そのうちに、私は
通風筒の前に出ました。私は不図思いついて、その中に、もぐりこみました。それが私の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
すんです。いや間もなく、私だけは漁船に救けられましたがね」 それからヴィデは、
通風筒の蔭で莨に火を点けたが、なんと思ったか、遭難事の注意をこまごま聴かせはじめ....
「予言」より 著者:久生十蘭
で投身したSも、たぶんこんな具合だったのだろうなどとニヤニヤしていると、むこうの
通風筒のうしろから、紙の三角帽をかぶった船客が三人、よろけながらやってきて、やあ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
でも呼びかけたい八月の朝凪である。爽快な南の風、空、雲、光。 なんとまた巨大な
通風筒の耳孔だろう。新鮮な藍と白茶との群立だ。すばらしい空気の林。 なんとまた....