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「速め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

速めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
間諜座事件」より 著者:海野十三
ディ・ヴァンピエル座の木戸口を出ていった。レビュー館の向うの角を曲ると急に歩調を速めて、かねて諜し合せて置いたR区裏の二つ並んだ公衆電話函のところへ……。 ....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
息奄々たる形であるが、早くも半分ばかりの高さまで登っていた。わしは、速力をグッと速めた。 気が気じゃなく、上を見ると、政はすでに熔融炉の縁から上へ、上半身を出....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
めてくれるだろうし、おれも正々堂々と泊まれると、もう芳子をだしにする考えが、足を速めた。 「どこへ行くの……?」 「おれの知ってる女の所だよ」 「女の……?」 ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
望みで?」「ではありません」「じゃあ、私は急ぎますから」そういい、いっそうウマを速めていった。トマス・ゼラアドが右の会話を一行に報告すると、サア・クリストファ・....
母の話」より 著者:岸田国士
が小さすぎるのです。 エチエンヌは非常な勇気を奮い起こします。一|生懸命、足を速めます。短い脚を精いっぱいにひろげます。まだその上に、腕を振ります。しかし、な....
光は影を」より 著者:岸田国士
真喜、真喜……と、彼は、小さな声で、その妹の名を繰り返した。 彼は、夢中で歩を速めた。朝靄につゝまれた武蔵野の雑木の立木が、見覚えのある荻窪界隈の街道筋を、ぼ....
乳を刺す」より 著者:邦枝完二
ちゃアいけません。親分、ま、待っておくんなせえ」 梅窓院通りから、百人町へ足を速めて行く伝七は、獅子っ鼻の竹を、いい加減にあしらいながら、何か思案に耽っている....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
何者であるかを、閃めくように理解した。 面紗の女とダンチョンとは、次第に速力を速め出した。まるで舞うように走って行く。二人の走るのを誘うかのように、幾度も幾度....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
って合図して別れた。 いよいよ尾道を離れたのだという気が急にした。 私は足を速めてスタスタと歩き出した。道路の傍の電柱を数えながら、一里をどの位早く歩けるか....
死体蝋燭」より 著者:小酒井不木
和尚は再び歩き出したが、さすがの和尚にも、その不気味さは伝わったらしく、前よりも速めに進んで、ひととおり戸締まりを見まわると、蒼白い顔をしてほッとしたかのように....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
のひっそりしている合間は、人々が息を殺し、固唾を呑み、何事が起るかと思って動悸を速めている様子を、聞えるほどに表したのであった。 疾駈で来る馬の蹄の音が猛烈に....
凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
の男の姿が見えたので、はッと胸|轟かせながら、いそいで向き直って今までより歩度を速めて歩きだした。 そして尾張町の角を曲ると、一直線に有楽町の停車場の方へ向か....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
見ると、「タイメイ」さんを娘たちから引きはなそうと思って、気づかれないように足を速めたので、間もなく娘たちは後になったが、「タイメイ」さんは時々うしろを振りかえ....
科学論」より 著者:戸坂潤
のコースに沿うて、一応独立に而も相互の紛糾した錯綜に於て、発達し又発達のテンポを速めつつある状勢にあっては、科学なるものを一般的に、そのものとして一纏めに、テー....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
然哲学一般が評価されていた時代だったので(そして却ってそのために自然哲学の没落を速めたのでもあったが)、ヘーゲルの自然哲学特にヘーゲル学派にとっては、重大な当面....