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速記者
「速記者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
速記者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
も恨む事が出来ない。以下はその日の、座談筆記の全文である。括弧《かっこ》の中は、
速記者たる私のひそかな感懐である。 さて、きょうは、何をお話いたしましょうかな....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は先手をうった。 「すると本庁では事件を猛烈に重大視しているのですネ」 と、早
速記者の一人が酬いた。 「犯人は精神病者だということですが、そうですか」 と、....
「花吹雪」より 著者:太宰治
。科学者たらんとする者も、政治家たらんとする者も、また宗教家、あるいは、そこに(
速記者のほうを、ぐいと顎でしゃくって、)いらっしゃる芸術家の卵にしても、まず第一....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
あかん、岡山が、いかなんだら、来年もう一遍受けてみ」 薄病院の院長は 「植村、
速記者になれ」 と、云ってくれた。院長を、崇拝している父は、いろいろの所で、速....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
ぶんおもしろい例が多かった。心中者の二人が死ぬ前に話し合った言葉などがさもそばで
速記者が立ち聞きでもしていたかのように記録されていたりしたものである。それが近松....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
トを銘々一人ずつご説明して苦しいご返答を伺おうと思います。実は私の方でもあの通り
速記者もたのんであります、ご答弁は私の方の機関雑誌畜産|之《の》友に載せますから....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
車で五色に向かった。以下記するところは虫の言い草で決して僕の考えでない。僕はただ
速記者として忠実に筆記するのみである。 三人の服装を見ると、ジラフのような小池....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
e Journal の記者として名声を馳せた Edward Bok が、小新聞の
速記者として働いていたのは、まだ十五、六歳の少年の頃だった。その頃彼は思い立って....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
値を持たない。――尤も大学の法学部に於ける講義の類は、主に教授の原稿朗読とそれの
速記者的筆記につきるから、この欠点はあまり重大ではなく、プリントで間に合わせてい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ていただくようたのみました。駅売りパンフレットも紙なしでもう駄目でしょう。しかし
速記者はやはり其で生活してゆくのでしょうから。 銀座がやけてはじめて通りました....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て、十二時を合図に散会。秋雨|瀟々、更けても降り止まなかった。 この日の講話が
速記者幾人によって速記されていたことを知っているので、わたしはその後に青蛙堂を訪....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
た。 書生上がりのパン屋というので当時は多少珍しかったものか、婦女通信社から早
速記者が見えて我々の談話を徴し、書生パン屋と題して大いに社会に紹介された。 こ....
「中毒」より 著者:織田作之助
て、泣きだした。T・Iも「K君、よく来てくれた。おれは会いたかったよ」と泣いた。
速記者があっけに取られていると、二人は起ち上って、ダンスをはじめた。ダンスがすむ....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
もそんなこといちいち断らずとも読者には分らないのであるが、それをハッキリと断り、
速記者もまた克明にその通りを写して紹介しているところがいよいよおもしろい。好もし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
あったためであろう。僕はまたその家の近所に今村次郎という標札を見付け、この名高い
速記者(種々の講談の)に敬意を感じたことを覚えている。―― 僕は講談というもの....