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「造り酒屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

造り酒屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の鳥」より 著者:太宰治
養子をむかえた。女学校の図画の先生であった。峠を越えて八里はなれた隣りのまちの、造り酒屋の次男であった。からだも、心も、弱い人であった。高野の家には、土地が少し....
自叙伝」より 著者:大杉栄
お祖父さんは楠井力松と言った。和歌山の湊七曲りというところにあった、かなり大きな造り酒屋だったそうだ。子供の時から腕力人にすぐれて、悪戯がはげしく、十二の時に藩....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
で帰って来たこの吉左衛門を自分の家の店座敷に迎えた。金兵衛の家は伏見屋と言って、造り酒屋をしている。街道に添うた軒先に杉の葉の円く束にしたのを掛け、それを清酒の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の食いじまいだ。引き続いた世間一統の米高で、盗難はしきりに起こる、宿内での大きな造り酒屋、桝田屋と伏見屋との二軒の門口には、白米一升につき六百文で売り渡せとの文....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
であった。 「どうして半蔵さんはああだろう。」 本陣から上隣りの石垣の上に立つ造り酒屋の堅牢な住居が、この伊之助の帰って行くのを待っていた。西は厚い白壁である....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
く続いたことを想像して見るがいい。高山霊場の女人禁制は言うまでもなく、普通民家の造り酒屋にある酒蔵のようなところにまで女は遠ざけられていたことを想像して見るがい....
別れの辞」より 著者:豊島与志雄
まなきゃやりきれない、そういう連中が次第に多くなっていくじゃないか。だから僕は、造り酒屋になろうというんだ。今に資本が出来たら、日本一のうまい酒を、日本一に安く....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
の怖ろしい事実が判明したとき、私はふと、私の義兄である村山紅邨という、越後山中の造り酒屋の主人公の歌人のことを考えた。彼はその山中に六百年ほど代のつづいた旧家の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
った。 酒屋へ使いに出されるたびに、正二郎が好んで行くのは「松嵐」という清酒の造り酒屋であった。なぜなら、この家だけは小心者の正二郎を憐れみ、彼を彼の一味とは....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ずいぶん人に借金をしたが、敵ながらアッパレな奴だと思ったのは私の義兄に当る山中の造り酒屋のアルジで、私の借金の申込みに対して巻紙にしたためた長文の返事をくれたが....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
、ほとんど毎晩八百八町を荒しまわったが、先夜この男女の強盗が万願寺屋という品川の造り酒屋へはいって、大奥のお賄方《まかないかた》から酒の代に下しおかれた五百両の....
下頭橋由来」より 著者:吉川英治
う者も出て来た。 すると、小屋の中を、掻き廻していた男が大変なものを見つけた。造り酒屋で糟を絞るのに使う真っ黒な麻の袋だ。それに、岩公がきょうまで、頭を下げて....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
はその結果と言ってよいのである。いつでも飲みたいという人が沢山に出てこなければ、造り酒屋は商売として成り立つはずもなく、また又六などと呼ばれる取売店が、繁昌する....