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造型
「造型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
造型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たのである。しかし法水は、心中何事か閃いたものがあったとみえて、鑑識課員に靴跡の
造型を命じた後に、次項どおりの調査を私服に依頼した。
一、附近の枯芝は何時頃焼....
「探偵小説を截る」より 著者:坂口安吾
たゞ一つしかなく、然し合理的でなければならぬ個性について、作家的、文学的、洞察と
造型力がなければならぬものである。個性は常に一つしかない。然し、どの個性も、どの....
「山の秋」より 著者:高村光太郎
見る思がする。不思議なことに油画ではまだ日本のこの濃度ある秋の色の分厚さを大胆に
造型化していないようだ。梅原竜三郎ならやれそうだが。紅葉は木の葉ばかりでなく、足....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
が国際性はない。しかるに浮世絵の場合になると、あれほど民族性が濃厚でありながら、
造型芸術なるゆえに案外理解せられて国境を越えて行つた。(あるいは浮世絵の持つエロ....
「俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
くはないと思いますがね、でもあんまりないと思う。 A 歌舞伎の演技には、特殊の
造型法みたいなものがあつて、演技者は中心点だけを非常にはつきりと押し出して来ます....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
おいた。私はそれに、目を加え、鼻を加え、口を加えようとした。私は、私のミューズが
造型の暗示を与えるまで、しずかにその円を視守ろうと努めるのであった。白色の円は意....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
るという態度が生れるのも無理はない。奈良に住むと、小説が書けなくなるというのも、
造型美術品から受ける何ともいいようのない単純な感動が、小説の筆を屈服させてしまう....
「(私はさきごろ)」より 著者:高村光太郎
スチナの天井に旧訳聖書を画き、正面壁画に最後の審判を画きながら、ただひたすら人間
造型の美を究めようとした。自然の理法が示す比例均衡の美を人間の手に変圧して捉えよ....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
根拠地である。彼の口辺の筋肉の変化と強い頤唇溝の語るところは筆で書けない。此所は
造型上でも一番手こずる難所である。とにかく清正の髯は此所に楽に生え、長兵衛の決意....
「詩について語らず」より 著者:高村光太郎
ます。私は生活的断崖の絶端をゆきながら、内部に充ちてくる或る不可言の鬱積物を言語
造型によって放電せざるを得ない衝動をうけるのです。このものは彫刻絵画の本質とは全....
「書について」より 著者:高村光太郎
てつとめて天下の劇跡に眼を曝すことにしているのである。 三 書はもとより
造型的のものであるから、その根本原理として
造型芸術共通の公理を持つ。比例均衡の制....
「蝉の美と造型」より 著者:高村光太郎
私はよく蝉の木彫をつくる。鳥獣虫魚何でも興味の無いものはないが、
造型的意味から見て彫刻に適するものと適さないものとがある。私は虫類に友人が甚だ多....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
置いたことがあるだけで、其他は彼女と二人きりの生活であったし、彼女も私も同じ様な
造型美術家なので、時間の使用について中々むつかしいやりくりが必要であった。互にそ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の美 埴輪というのは上代古墳の周辺に輪のように並べ立てた素焼の人物鳥獣其の他の
造型物であって、今日はかなり多数に遺品が発掘されている。これはわれわれの持つ文化....
「ミケランジェロの彫刻写真に題す」より 著者:高村光太郎
ミケランジェロこそ
造型の権化である。
造型の中の
造型たる彫刻は従ってミケランジェロの生来を語るも....