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「造花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

造花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ね。」 「僕の目は病気ではないよ。」 14 斜めに見た造花屋《ぞうかや》の飾り窓。造花は皆竹籠だの、瀬戸物の鉢だのの中に開いている。中....
文章」より 著者:芥川竜之介
在の堀川保吉は註文を受けた葬儀社である。何月何日の何時までに竜燈《りゅうとう》や造花を持って来いと云われた精神生活上の葬儀社である。――保吉はバットを啣《くわ》....
片恋」より 著者:芥川竜之介
床の間には石版摺《せきばんず》りの乃木《のぎ》大将の掛物がかかっていて、その前に造花《ぞうか》の牡丹《ぼたん》が生けてあると云う体裁だがね。夕方から雨がふったの....
」より 著者:芥川竜之介
す》の上には、頸《くび》の細い硝子《ガラス》の花立てがあって、花びらの一つとれた造花の百合《ゆり》が、手際よくその中にさしてある。察する所この百合は、花びらさえ....
路上」より 著者:芥川竜之介
外特色に乏しかった。が、身綺麗《みぎれい》な服装の胸へ小さな赤薔薇《あかばら》の造花《ぞうか》をつけている事は、いずれも軌《き》を一にしているらしかった。俊助は....
或る女」より 著者:有島武郎
いが、光の照り渡る限りは、雑多に置きならべられたなまめかしい女の服地や、帽子や、造花や、鳥の羽根や、小道具などで、足の踏みたて場もないまでになっていた。その一方....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
入口を覗いてみた。 「まア、いい御気嫌ね、ホホッ」 誰も居ないと思った入口の、造花の蔭に女がいた。僕は帆村の腕をキュッと握りしめて緊張した。 「君、君ンとこは....
春昼」より 著者:泉鏡花
ゅう、そぞろに尊く懐しい。 格子の中は暗かった。 戸張を垂れた御廚子の傍に、造花の白蓮の、気高く俤立つに、頭を垂れて、引退くこと二、三尺。心静かに四辺を見た....
超人間X号」より 著者:海野十三
てあった。電灯を利用したみあかしが、古ぼけた銀紙製《ぎんがみせい》の蓮《はす》の造花を照らしていた。線香立《せんこうたて》や焼香台《しょうこうだい》もあった。 ....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
身の周りが追々綺麗になるんだ。晩飯でも食って出懸ける所を見ると、お前、頭にお前、造花なんぞ※して居やあがる。何処からか指輪が来ると云うあんばいで、仕事も休みがち....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
場にさし向う、すぐ目前、紅提灯に景気幕か、時節がら、藤、つつじ。百合、撫子などの造花に、碧紫の電燈が燦然と輝いて――いらっしゃい――受附でも出張っている事、と心....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
台も、花道も芝居のごとくに出来たり。人数一千は入るるを得たらむ。 木戸には桜の造花を廂にさして、枝々に、赤きと、白きと、数あまた小提灯に、「て。」「り。」「は....
歯車」より 著者:芥川竜之介
のをみつけた。白張りの提灯や竜燈はその中に加わってはいないらしかった。が、金銀の造花の蓮は静かに輿の前後に揺いで行った。…… やっと僕の家へ帰った後、僕は妻子....
三枚続」より 著者:泉鏡花
すぐにその何でさ、二階の座敷へ上りました。 目の覚めるような六畳は、一面に桜の造花。活花の桃と柳はいうまでもありませんや、燃立つような緋の毛氈を五壇にかけて、....
情鬼」より 著者:大倉燁子
に覆われて、ガラス戸棚の中段に安置されていた。その前には黒いリボンを結んだ小さな造花の花輪が供えてあった。私はそこに跪いて祈祷を捧げた。 それから一ヶ月ばかり....