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逡巡
「逡巡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逡巡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ま、南京藻《なんきんも》の浮かんだ水面を一生懸命に跳《おど》り越えた。この恐怖や
逡巡《しゅんじゅん》は回向院の大銀杏へ登る時にも、彼等の一人と喧嘩をする時にもや....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
らせる役に立つばかりだった。伝吉は浄観を睨《にら》んだぎり、打とうか打つまいかと
逡巡《しゅんじゅん》していた。
「さあ、打て。」
浄観はほとんど傲然《ごうぜん....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
く頭脳の持ち主だとは遺憾ながら己惚《うぬぼ》れる事が出来なかった。すると彼は私の
逡巡《しゅんじゅん》に早くも気がついたと見えて、今まで袴《はかま》の膝の上に伏せ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
間以上返さずにいるのは乞食《こじき》になるよりも不愉快である。……
十分ばかり
逡巡《しゅんじゅん》した後、彼は時計をポケットへ収め、ほとんど喧嘩《けんか》を吹....
「彼」より 著者:芥川竜之介
死んで見ると、何か君は勝利者らしい心もちも起って来はしないか?」
僕はちょっと
逡巡《しゅんじゅん》した。するとKは打ち切るように彼自身の問に返事をした。
「少....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
囲で、少しは大きなものにぶつかりたい。計画がないでもないが、どうも失敗しそうで、
逡巡《しゅんじゅん》したくなる。アミエルの言ったように、腕だめしに剣を揮《ふ》っ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
で待合室の側の食堂へ行った。食堂はほとんど満員だった。それでも彼が入口に立って、
逡巡《しゅんじゅん》の視線を漂わせていると、気の利《き》いた給仕が一人、すぐに手....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
する様な声で、「好《い》いか渡すぞ。」と相手を呼んだ。
猪首《いくび》の若者は
逡巡《しゅんじゅん》した。少くとも一瞬間は、凄壮そのもののような彼の姿に一種の威....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
弟は何か買いものをするたびにやはり一円持っているものの、一円をすっかり使うことに
逡巡してはいないであろうか? 四二 虚栄心 ある冬に近い日の暮れ、僕....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
前は向うで上げるんだ。さあ、遣れ、遣れ。(笑う)ははは、面白い。 小児等しばらく
逡巡す。画工の機嫌よげなるを見るより、一人は、画工の背を抱いて、凧を煽る真似す。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
あないか。」さすがの姉御も洞中の闇に処して轟々たる音の凄じさに、奥へ導かれるのを
逡巡して言ったが、尋常ならぬ光景に感ずる余り、半ばは滝太郎に戯れたので。 「おい....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
に答うる術も知らぬ状に、ただじろじろと後室の顔を瞻ったが、口よりはまず身を開いて
逡巡して、 「ええ、からもう、」というばかり、
逡巡の上に、なおもじもじ。 「一体....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ない。指で口許を挟む真似、そしてその目の仇気なさ。 「え、私あ、私あ、もう、」と
逡巡する。 「もうなもんですか。御馳走するわ。 おばさん、良いでしょう。」 ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
なさい、実に怪談が好物だ。「余り陰気な談をしますと是非魔が魅すといいますから。と
逡巡すれば、「馬鹿なことを、と笑われて、「それでは燈を点して懸りましょう。暗くな....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
な自由裁断が許され、感激して自主的に活動せしめねばならない。恐れ戦き、遅疑、躊躇
逡巡し、消極的となり感激を失うならば自由主義に劣る結果となる。 社会が全体主義....