逢瀬[語句情報] » 逢瀬

「逢瀬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

逢瀬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
いますが、恋こがれている伊之助が尋ねて来たので、伯父晋齋の目を掠《かす》め危うい逢瀬に密会を遂げ、懐妊までした男は真実《まこと》の伊之助でなく、見るも怖しき狸で....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
時の捌《さば》きを待つよりしかたがないと、思い諦めて、楽しいようなはかないような逢瀬《おうせ》を続けています。 昼過ぎ、昭青年は姫に生飯を持って行って食べさせ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
文中等教員検定試験を受けて、落第したことがあった。それで、お君は、 ――あはれ逢瀬の首尾あらば、それを二人が最期日と、名残りの文のいひかはし、毎夜毎夜の死覚悟....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
ているものか、これについて岡安の語るところによると、春江と電気看板の点滅を合図に逢瀬を楽しんでいたことが忘れられず、今は鈴江と仲のよくなった今日も、毎晩のように....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
らさず、窟へ日参いたせしに、女夫の桂のしるしありて、ゆくえも知れぬ川水も、嬉しき逢瀬にながれ合い、今月今宵おん側近う、召し出されたる身の冥加……。 頼家 武運つ....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
をいっしょに温かく話すのでも、縁なくば許される事ではありませんね。 僧三 一つの逢瀬でも、一つの別れでもなかなかつくろうとしてつくれるものではありませんね。人の....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ものの匿れていて、私の探りあてるのを待っているらしいけれど、種々の障害と迷暗とに逢瀬のほどもおぼつかない。けれど私は生を願うものである。たとい充実せぬはかない気....
風流仏」より 著者:幸田露伴
付て、天女の如く見事に出来上り、吾ながら満足して眷々とながめ暮せしが、其夜の夢に逢瀬平常より嬉しく、胸あり丈ケの口説濃に、恋|知ざりし珠運を煩悩の深水へ導きし笑....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
かりしが、わがために慰めらるるや、さらば勉て慰めむとて行く。もどかしき垣を中なる逢瀬のそれさえも随意ならで、ともすれば意地悪き人の妨ぐる。 国麿という、旧の我....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
造嬉しい、私ア亥太郎でござんす」 と互の挨拶も済んで、それから主客数人、久々の逢瀬に語り尽せぬ其の夜を明しまして、一日二日と過ぎます内にはや三月の花見時、向島....
」より 著者:織田作之助
きかせた。彼は国漢文中等教員検定試験の勉強中であった。それで、お君は、 「あわれ逢瀬の首尾あらば、それを二人が最期日と、名残りの文のいいかわし、毎夜毎夜の死覚悟....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
橋際に着けた梅見帰りひょんなことから俊雄冬吉は離れられぬ縁の糸巻き来るは呼ぶはの逢瀬繁く姉じゃ弟じゃの戯ぶれが、異なものと土地に名を唄われわれより男は年下なれば....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
家より鉦の音。) おくみ『源兵衛さま』 源兵衛『おくみ』 おくみ『ほんにたまさか逢瀬の一夜。その上なにか胸騒ぎがしてすこしでも長くあなたに引添うて、離れとうもご....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
先のことは恐ろしくなりました。願わくば神様が私を守り下さいまして私にこのたのしき逢瀬を恵み給わんことを祈ります。あなたも祈りつつ待っていて下さいまし。私は小一里....
俗臭」より 著者:織田作之助
た。賀来子と比較するからだった。当然賀来子を想い出し、別れてしまった筈の賀来子に逢瀬を求めた。賀来子は避けた。千恵造はその理由が納得出来ぬまゝに、やがて、いわれ....