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逢着
「逢着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逢着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
人の考えは、何度も同じ道を低徊《ていかい》した揚句《あげく》に、やっとこの局所へ
逢着《ほうちゃく》した。しかしこの「すれば」は、いつまでたっても、結局「すれば」....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
いでも好《よ》い。ただ猿を仕止めた後《のち》、蟹を始め同志のものはどう云う運命に
逢着《ほうちゃく》したか、それを話すことは必要である。なぜと云えばお伽噺《とぎば....
「富士」より 著者:岡本かの子
《ふた》ぎて蒼穹は僅かに土量の両|鰭《ひれ》に於てのみ覗くを許している土の巨台に
逢着した。翁は呆《あき》れた。これが普通いう山の麓であることか、おおらおおら。 ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れてはまた、天の起源――換言すればこの地球以外にある物象の起源――に関する疑問に
逢着する。こういう場合には、たいてい、世界の起源について何かしら人間的な形を備え....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
よ。だからたとえそれが皮相的なものにせよ今度の事件の様に一見動機の不可解な犯罪に
逢着すると、直ちに事件そのものを複雑化してしまう。勿論、動機の探求結構さ。ただ、....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
あるか、或は一人で何等かの特殊な方法に依ったものであるか、と言う二つの岐路に再度
逢着します。――ここで私は、もうひとつの謎をこれに結び付けてみる。即ち、あの撥形....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
かの座頭の墓にあき草の花をそなえて帰った。 第三の男は語る。 これは僕自身が
逢着した一種奇怪の出来事であるから、そのつもりで聴いてくれたまえ。僕の友だちの赤....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
五、事件発生前の雰囲気
四人の帰化入籍、遺言書の作成と続いて、算哲の自殺に
逢着すると、突如|腥い狹霧のような空気が漲りはじめた。そして、年が改まると同時に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れは絶望であろう。 今は九月十九日の午前七時である。わたしは何か彼の足跡にでも
逢着することもあるまいかと、水夫の一隊を伴って、終夜前方の氷山を歩きまわったが、....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
レールの思想は? クレールと思想 最も面にしてかつ倒なる問題に
逢着してしまつた。白状すると私にはクレールの思想はわからない。少なくともいままで....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
難であり、あまつさえもしもこちらより向こうのほうが強い場合には物理学的困難にまで
逢着しなければならぬ不便があるため、残念ながら我々はこの方法を放擲せざるを得ない....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
五郎氏で、閣翁運八とともに、自動車で駆上って来た事は更めて言うに及ぶまい。事実に
逢着すると、着弾の距離と自動車の速力と大差のない事になる。自動車の方が便利である....
「涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
にであわなくってすんじまうよ。それから山へ登る奴だって、そんな運命なんかに全然|
逢着ないように登ってる奴もあるもの。」 「じぁその
逢着ような奴っていうのはどんな....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
、一般の人々の習わしの如くになっている。それは、人間を信ずるの余り、思わぬ災害に
逢着する事実から、お互に、妄りに信ずべからずとさえ思うに至ったのである。 人間....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
すべき事もちろんである。しかし如何に臣民が協調に努力するも必ず妥協の困難な場面に
逢着するものである。それにもかかわらず総て臣民の間に於て解決せんとするが如き事が....