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連なり
「連なり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
連なりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
、何軒となく立ちならんでいる妓楼《ぎろう》は、ただ真黒なものの高低《たかひく》の
連なりにすぎないけれども、そのどの家からも、女のはしゃぎきった、すさんだ声が手に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、伽藍を囲む築地塀《ついじべい》は、尼僧の清さそのものを物語るかのごとくに白々と
連なり、しかも、伽藍のあわいあわいにおい茂る春の木、初夏の木、常盤木《ときわぎ》....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いぶかり、その一方はにせ物に違いないという妙な確信をいだいてくる。お祝いの饗宴に
連なりながら食堂の壁に描かれたたくさんのものをつくづくながめて、ひそかに消化の傷....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ら枯れた冬の野のような寂寥を感ずるよりも、乱射した日光に晒された乾からびた砂山の
連なりを思わされる。主なき研究室の空虚を意識せぬでもないが、それよりも街頭に客を....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
映じて輝く様など、絵よりも美しい景色である。 東の空には八ヶ嶽が連々として聳え
連なり、北には岡谷の小部落が白壁の影を水に落とし、さらに南を振り返って見れば、高....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
向灘から昇ってつの字崎の半面は紅霞につつまれた。茫々たる海の極は遠く太平洋の水と
連なりて水平線上は雲一つ見えない、また四国地が波の上に鮮やかに見える。すべての眺....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
りに混ぜ合せている。骸骨の行列そのまゝの雑木林を距てゝ、薄く白雪をいたゞいた山の
連なりが黒々と描かれ、ひときわ高く朱色に聳えた浅間らしい山の頂きから誇張された奇....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
、それに、どうだい、こっち側の、この夕風にざわめいている素晴らしい竹林の遠々たる
連なりは！ 僕はさっき、親父と話しながらここまで登って来た時には、何だかまるで、....
「書記官」より 著者:川上眉山
の千筋はさながら銀糸を振り乱しぬ。北は見渡す限り目も藐に、鹿垣きびしく鳴子は遠く
連なりて、山田の秋も忙がしげなり。西ははるかに水の行衛を見せて、山幾重雲幾重、鳥....
「春」より 著者:岡本かの子
、それに準じて中背の桜が何十本か整列している。淡紅満開の花の盛り上る梢は、一斉に
連なり合って一樹の区切りがつき難い。長く立て廻した花の層だ、層が厚い部分は自然と....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
岸の姫松はみどりの枝をかわして、沖にあそぶ鴎の影白し。見渡すかぎり、山も海も遠く
連なりて、画くがごとき眺めかな。 （このあたりより舞はようやく急なり。） 唄※と....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
葉の上吹く朝風いと涼しく、心地よきこというばかりなし。武光山より右にあたりて山々
連なり立てるが中に、三峰は少しく低く黒みて見ゆ。それより奥の方、甲斐境信濃境の高....
「西航日録」より 著者:井上円了
とす。余、シャンハイにありて四面を一望するに、山影の眼光に触るるなく、平原百里に
連なり、河水縦横に通じ、いわゆる沃野千里なるもの、清国の富源また実にこの間にあり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
主にて、在市日本人三十余名を船中に招き、日本料理をもって饗応せらる。余もその席に
連なり、千里眼につきて卑見を述ぶ。席上において、南極探検隊長白瀬中尉および開南丸....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
澄みきって落栗が明らかに転びつつ流れてゆく。そうすると毎年私の好奇心が彼の大空へ
連なり聳えた山々のふところへ深くもひきつけられる。というのは其の連山のふところに....