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連呼
「連呼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
連呼の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「男女同権」より 著者:太宰治
よ、おれだよ、と言っても聞きわけてくれず、どろぼう! どろぼう! どろぼう! と
連呼し、やがて、ジャンジャンジャンというまことに異様な物音が内から聞え、それは婆....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
酔に任せ起《た》って躍《おど》りいたるに突然水の面《おも》を見入りつ、お政々々と
連呼してそのまま顛落《てんらく》せるなりという。 記者去年帰省して旧友の小学校....
「少女病」より 著者:田山花袋
。 娘のだ! いきなり、振り返って、大きな声で、 「もし、もし、もし」 と
連呼した。 娘はまだ十間ほど行ったばかりだから、むろんこの声は耳に入ったのであ....
「蠅男」より 著者:海野十三
階段はどこだ!) 廊下づたいに内に入ると、目についた一つの階段。彼は糸子の名を
連呼しながら、トトトッとそれを駈けのぼった。 だが糸子の声がしない。すこし心配....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
るのを聞いた信玄の旗本軍も、士気|頓にふるい、各将は「先手衆が来たぞ戦は勝ぞ」と
連呼しつつ旗をふり鞍をたたいて前進した。形勢一変、今や越軍は総退却のやむなきに至....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
うに、どうかして財産を完全に譲りたい、それについてはこゝで佯狂となり大福餠々々と
連呼して一先ず辛い責苦から逃れ、妻子に完全に財産が移るまで審理を延ばしていよう。....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
すが、果して、もうハムレットさまも、ホレーショーも、いまでは、わしが正義、正義と
連呼して熱狂する有様に閉口し、王さまの弁護をさえ言い出している始末でございます。....
「惜別」より 著者:太宰治
呼ばなければだめです、と言う。自分はさらに大きい声で、お父さん! お父さん! と
連呼した。もっと、もっと、と傍で衍奥さんがせき立てる。自分は、喉から血が出そうに....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
志と七ツの子供を前へ呼びだして、 「犯人は誰だ。名を云え。誰が盗んだ。白状しろ」
連呼しながら二人の首をしめあげたのである。二人は半死半生になったが犯人の名を云わ....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
た。隠居は息をひきとったのである。 「御隠居さま。御隠居さま。もし、御隠居さま」
連呼して隠居の返事をうながしていたお奈良さまは、ようやく異常に気がついた。脈をと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が後を追う。数名の坊主につづいて十名ちかい火消人足の一団が、 「危い! 危い!」
連呼して、もつれつつ駈け上り、扉の前で押しひしめく。一かたまりの人むれに押されて....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。今は呼吸さえ困難である。それだのに尚も張教仁は全力を挙げて走っている。そうして
連呼をつづけている。 「紅玉、紅玉、紅玉!」と…… しかし、女はもう二度とは、....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
だり、自身が鳥になったり、松林の一角に立って、光太郎智恵子光太郎智恵子と一時間も
連呼したりするようになった。父死後の始末も一段落ついた頃彼女を海岸からアトリエに....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
多く一人でしゃべりすぎております。議長は降壇を命じます」 「圧制! 圧制! 」と
連呼するものがある。 こうしているうちに何人か議長席に近づいて、議長の頭を殴る....