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連添う
「連添う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
連添うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
根を切られた鳥の心が籠に入れて楽しむという飼主に解りましょう。何程、世間の奥様が
連添う殿方に解りましょう。――女の運はこれです。御縁とは言いながら、遠く御里を離....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
精しくは知らない。飯山の方では私は何となく高い心を持った一人の老僧に逢ってみた。
連添う老婦人もなかなかのエラ者だ。この人達は古い大きな寺院を経営し、年をとっても....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。あとは水入らずの二人きりで、田園生活が真剣にはじまった。
意気地の無い亭主に
連添うお蔭で、彼の妻は女中無しの貧乏世帯は可なり持馴れた。自然が好きな彼女には、....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、どういうものか、お金が残らず胆を冷やしてその日暮し、晩酌も二合を越えず、女房と
連添うて十九年、他の女にお酌をさせた経験も無く、道楽といえば、たまに下職を相手に....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
寺長屋へ浪人していました処、私の兄澤田右衞門が物堅い気質で、左様な酒癖あしき者に
連添うているよりは、離縁を取って国へ帰れと押て迫られ、兄の云うに是非もなく、其の....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
、沈んだ、沈んで行きつつあるような夫の様子で、妻はそう感じたのであった。 永年
連添う間には、何家でも夫婦の間に晴天和風ばかりは無い。夫が妻に対して随分強い不満....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
害を御急ぎ下され度く候云々」 と云う様なる塩梅に旨く書続けてあります。悪人でも
連添う夫婦の情で死のうという心になるお蘭の志を考えると、山三郎は憫れさに堪えられ....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
。」 「そう……でも其の女のことは矢張し思っているでしょう。」 「そりゃ、何年か
連添うた女房だもの、少しは思いもするさ。斯うしていても忘れられないこともある。け....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
て貰って離縁状を書いて下さいよ」 かめ「おえいは私には只た一人の可愛いゝ娘、其の
連添う夫に私通をされては世間へ対して外聞が悪いから、世間へ知れない内、只た今おえ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
た籠をそばへ引寄せる途端に表へ下りたのは、其の頃の山駕籠でございます。駕籠の脇に
連添う一人の老女は、お高祖頭巾を冠り、ふッくりと綿の這入りし深川鼠三ツ紋の羽織に....