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「連理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

連理の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二人小町」より 著者:芥川竜之介
ょう? わたしは少将と約束しました。天に在っては比翼《ひよく》の鳥、地に在っては連理《れんり》の枝、――ああ、あの約束を思うだけでも、わたしの胸は張り裂《さ》け....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
引出した時、彼が無理に譲ってもらったのである。中は悉皆空洞になって、枝の或ものは連理になって居る。其れを植えた時、墓地の東隣に住んで居た唖の子が、其幹を指して、....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
な新婦新郎は、誰も知らない秘密に更に快い興奮を加えつつ、翠帳紅閨に枕を並べて比翼連理の語らいに夜の短かさを嘆ずることとはなった。 ヒルミ夫人の生活様式は、同棲....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
朝霧という美女がいた、それを兵部重清がみそめてしまった、つい、いい首尾があって、連理の交わりとやらを為《な》したそうだ。今晩は頭がいいので、尼の口早に話した人の....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
犬伝の赤岩《あかいわ》一角《いっかく》の猫退治で二幕、それから桂川《かつらがわ》連理柵《れんりのしがらみ》の帯屋から桂川の心中までを演《や》った。打出してから帰....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
り梢の少し高い、対の松が、破屋の横にややまた上坂の上にあって、根は分れつつ、枝は連理に連った、濃い翠の色越に、額を捧げて御堂がある。 夫人は衣紋を直しつつ近着....
源氏物語」より 著者:紫式部
上のものであった。お二人の間はいつも、天に在《あ》っては比翼の鳥、地に生まれれば連理の枝という言葉で永久の愛を誓っておいでになったが、運命はその一人に早く死を与....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
出したのを見て、三人は秘かに顔を見合わせたのだった。 (オフェリヤの台詞)「さあ連理草(レイアティズに)、別れってこと、それから三色菫、これは物思いの花よ。あな....
南国太平記」より 著者:直木三十五
上は、玄宗皇帝――」 将曹が、おどけ調子で 「天にあって比翼の鳥、地にあっては連理の枝」 「暫く、黙っておれ」 久光は、将曹を睨みつけた。 「初めの政治は、....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
より小出雲坂、老ずの坂とも呼ぶのが何となく嬉しかった。名に三本木の駅路と聴いては連理の樹の今は片木なるを怨みもした。 右は妙高の高嶺、左は関川の流れを越して斑....
活人形」より 著者:泉鏡花
時、八蔵ぬっと顔差出し、拳に婦人を掴む真似して、「汝、これだぞ、と睨めつくれば、連理引きに引かれたらむように、婦人は跳ね起きて打戦き、諸袖に顔を隠し、俯伏になり....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いない。いつのまにか夢は二つの蝶になっている。一羽はお通だと夢の中で思っている。連理の枝を繞っている。 ――ふと眼をさますと、いつのまにか、陽は土間の奥まで映....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いは百年の後も消すことができないであろう。 天にあっては比翼の鳥、地に在っては連理の枝とならん――と来世を願った漢帝の悔恨を、胸に歌に繰り返して、泣き死んでも....