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逸出
「逸出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逸出の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
都合である。周密なる観察から得た材料を綜合《そうごう》して見ると鼠賊《そぞく》の
逸出《いっしゅつ》するのには三つの行路がある。彼れらがもしどぶ鼠であるならば土管....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
皆噴出の際に過大の速度を得たために、中心体の引力の余り利かなくなるほど遠い範囲に
逸出してしまう。同時にその速度を失ってしまうために、長い間ほとんど位置を変えずに....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
をとぎれとぎれにうなっていただけで、よくわからないのだが、とにかく、当の毒蜘蛛は
逸出していなかったので私はほっと安心した。それから私は部屋のすみずみから書棚や机....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
要な役目を務めるものであろうが、今の私の立場から見るとあまりに現在の科学の領域を
逸出した問題である事はやむを得ない。もっとも今から百年二百年後の精神物理学者が今....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
の領域を踏み出す事は困難に思われる。後代の浮世絵の失敗の原因はこの領域を無理解に
逸出した事にありはしないだろうか。 もしこの私の最後の考えが正しいとすれば、同....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、押しつけるその手先をかいくぐるようにして、早くも先に立って、お庭先の舞台の方へ
逸出してしまいましたから、さすがの親方も、すっかりテラされてしまいました。ぜひな....
「漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
と反比例を示す場合も少なくないように見える。それは技巧が跳躍して科学的真の圏外に
逸出するためである。 こういう意味で私は本当の漫画と低級なポンチあるいはくすぐ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
社会自衛上やむをえぬ手段であったかもしれぬ。これに対して反抗を続け、間隙を求めて
逸出を図るの事は、また彼らにとって自己生存上の当然の要求であらねばならぬ。しかも....