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「遅る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遅るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真田幸村」より 著者:菊池寛
る猶予を見つけたのが、越前方の監使榊原飛騨守である。飛騨守は「今こそ攻めるべし、遅るれば必ず後より追撃されん」と忠直卿に言上した。 忠直卿早速、舎弟伊予守忠昌....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
抽斎は五百に議って苫を貰い受け、後|下総の農家に嫁せしめた。 栄玄の子で、父に遅るること僅に四月にして歿した玄亭は、名を徳瑛、字を魯直といった。抽斎の友である....
みちの記」より 著者:森鴎外
、最早京に還るべき期も迫りたるに、ここに停まること久しきにすぎて、思いかけず期に遅るることなどあらんも計られずと、危ぶみおもいて、須坂に在りて待たんといわれし丸....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
多い。したがって「気分の芸術」はあっても「存在の芸術」はきわめて乏しい。あるいは遅るるを恐るるがごとくに読書し創作して余念のない人はある。けれども一生懸命生活し....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
あまで開発の相違があるか、地味に於て物資に於て寧ろ北来に優る南米が、何故に文化に遅るること今日の如きか――という問題に答えたある人の答えを記臆している。 北米....
白光」より 著者:井上紅梅
ッ取早く掲示板を見て、まず上段の陳字を捜した。陳字も少くはないが、皆先きを争い、遅るるを恐れるように彼の眼の中に躍り上って来た。しかしそれに繋がっているのは士成....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
ていた。かくして居士はその後両三年ならずして退学を決行したのであった。余もそれに遅るる一、二年にしてまた退学を決行した。「石橋」という能がある。親獅子は舞台に出....
三国志」より 著者:吉川英治
――百姓商人老幼男女、領下のものことごとく避難にかかれ、領主に従って難を避けよ、遅るる者は曹操のためかならずみなごろしにならん――としるして布令なす事」と、手配....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ありがとう存じまする」 「先頃の大雨は、鎌倉表も変りないはず。万一、召の御期日に遅るるとも、義貞が先に着いて、公儀向きへは、よしなに旅途の困難を披露しおけば、お....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も、桶狭間の合戦のあった永禄三年の年、伊豆で産声をあげていたので、武蔵はそれより遅るること、約二十二年後に生れているのである。 しかし、弓道では、前にいった日....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
数の 飛ぶ飛ぶ飛ぶ飛ぶ、ロッペン鳥。 晴天、 六月の上旬、成牡の来島に遅るること、二、三週後。 ああ、とうとう成牝の大群が来た。 聴け、海豹島の地....