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「遅れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遅れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
来るかどうか、いよいよ怪しい心もちがする。殊に試験でも始まっていれば、二日や三日遅れる事は、何とも思っていないかも知れない。遅れてもとにかく帰って来れば好《い》....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
っていた。彼はこの時刻の相違を時計の罪だと解釈《かいしゃく》した。「きょうは乗り遅れる心配はない。」――そんなことも勿論思ったりした。路に隣った麦畑はだんだん生....
手紙」より 著者:芥川竜之介
の温泉宿へ妹さんの来るのを待ち合せた上、(それは多分僕の帰るのよりも一週間ばかり遅れるでしょう。)帰り仕度《したく》をするとか云うことです。僕はK君と二人だけに....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
じゃ心細いや。陽子もお通夜に行くんだろう……?」 「ええ。でも、あたし、ちょっと遅れるかも知れなくってよ」 「どっかへ行くのかい」 「田村」 「田村……? まさ....
競馬」より 著者:織田作之助
けば、五番だという。そうか、やはり五番がいいかねと、五番の馬がスタートでひどく出遅れる癖《くせ》があるのを忘れて、それを買ってしまうのだ。――人々はもはや耳かき....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
な。」 「けれどもここに起立していてはわたくしの部下に顔も合わされません。進級の遅れるのも覚悟しております。」 「進級の遅れるのは一大事だ。それよりそこに起立し....
深夜の市長」より 著者:海野十三
八番の「毛抜」みたいなことになったものである。 「……次に僕はあの時計が、どの位遅れるかを測ってみた。すると一時間につき三十五分六だけ遅れることが分ったのです。....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
せんでした。ただ、門司から「帰国はしたが、用事が出来たため赤耀館へ帰るのはすこし遅れる」という簡単な電文が百合子の許に届いたばかりでありました。 十月の声を聞....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
とは、出来ないのですよ。監視哨をやってもらうことにすると、それだけ軍需品の補充が遅れることになるそうじゃ」 「まア、そうですの。皆さん、案外に呑気にやっていらっ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
地球人類の危機を如何にして防衛すべきかという問題の答案が、又もやこれから十何年も遅れることになる。それは思っても由々しきことだ。三十八人の発狂者を捨てるくらいは....
怪塔王」より 著者:海野十三
すすみ、他の二隊は左右両方から攻めかかりました。 艦艇隊の方は、それよりずっと遅れること十キロメートル、旗艦を中央に、そのまわりを各艦艇がぐるっと囲んで、五列....
大空魔艦」より 著者:海野十三
びっくりしたわ。そんなわけで、あたしが兄さんの代りに配達しているのよ。でも夕刊が遅れるといけないでしょう」 ユリ子は、けなげにもそういった。丁坊はこのユリちゃ....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
渋って来た。 「撲られに帰るのに、あわてて帰る奴がいるものか」 しかし急がねば遅れる。遅れたが最後無事には済むまい。 「脱走したくなるのはこんな時だなア」 ....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
人さんが顔を出し、実は親御さん達はとっくに見えているのだが、本人さんは都合で少し遅れることになった、というのは、本人さんは今日も仕事の関係上欠勤するわけにいかず....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
向って頼む様子ではありません。たとえ、人間世界の馴染の染物屋でさえ、時には約束に遅れることもあるのですから、まして何千人何万人のお得意を持っている忙しい仏、菩薩....