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「遅緩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遅緩の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
で、かえって雪は少量または稀有である。その少量の取り残された残雪も氷河となって、遅緩なる運動を以て、山から下りて来るのである。またあまり高層へ行くと、空気は乾燥....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
って、しばらく宥恕いたし候につき、速かに姦徒の罪状を糺明し、厳刑を加うべし。もし遅緩に及び候わば旬日を出でずして、ことごとく天誅を加うべきものなり。」 亥四....
」より 著者:島崎藤村
雨計だった。私の健康も確実に回復するほうに向かって行ったが、いかに言ってもそれが遅緩で、もどかしい思いをさせた。どれほどの用心深さで私はおりおりの暗礁を乗り越え....
鎮魂歌」より 著者:原民喜
ンを拾いあげると、それを弾《ひ》きながら歩いてみたが、わたしの霊感は緊張しながら遅緩し、痙攣《けいれん》しながら流動し、どこへどう伸びてゆくのかわからなくなる。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
くなりて死すと。すべて※《がく》や大蛇諸種の蜥蜴など、飽食後や蟄伏中に至って動作遅緩なるより、竜身至って重してふ説も生じたであろう。インド、セイロン、ビルマ等の....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
画をしていっそうロシア的ならしむる要素であるようにも思われる。すなわち、こういう遅緩なテンポとリズムを使用することによって、ロシアの片田舎のムジークの鈍重で執拗....
十二支考」より 著者:南方熊楠
一疋出で来り、件《くだん》の負傷蟹を両手で挟《はさ》み運び行く。この蟹走らず歩行遅緩なれば、予ク公の言の虚実を試《ため》すはこれに限ると思い、抜き足で近より見れ....
科学論」より 著者:戸坂潤
いる、「如上幾多の利益を生ずる此分業なるものは……人性内部の一種の性癖より、頗る遅緩に且つ漸進的ながらも、然も必然的に発生し来れる結果に外ならず。……或物を他の....
取舵」より 著者:泉鏡花
て起らんずる天変の大頓挫にあらざるなきか。 船は十一分の重量あれば、進行極めて遅緩にして、糸魚川に着きしは午後四時半、予定に後るること約二時間なり。 陰※た....