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遊び人
「遊び人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊び人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れば忌でも泥仕合いをするよりほかはない。この雪あがりに厄介だとは思ったが、多寡が
遊び人ひとりを手捕りするのはさのみむずかしくもない。もう腕ずくで引き摺って行こう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのです。お房はことし二十歳《はたち》ですが、その兄貴の米吉というのは商売無しの
遊び人で、大名屋敷や旗本屋敷の大部屋へはいり込んで日を暮らしている。勿論、妹のと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
又あやまった。 見たところ彼はそれほど悪党でもなく、所詮《しょせん》は地廻りの
遊び人に過ぎないらしい。半七は笑いながら云った。 「ただ御勘弁と云っても、むむ、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
走った男で、顔に見覚えはありませんが、これも唯の町人らしくない奴です。と云って、
遊び人にしちゃあ野暮に出来ているし、まあ、屋敷の大部屋にでも転がっていたような奴....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
内に住んでいる老人のことだった。僕の危いところを救ってくれたその老人は、刑事だの
遊び人だのから「深夜の市長」と呼ばれていた。あの土窟から出てみると、それは紡績工....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
か。」 むかしは遊芸の浚いなどを催していると、質のよくない町内の若い者や小さい
遊び人などが押掛けて来て、なんとか引っからんだことを云って幾らかの飲代をいたぶっ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ない質素な住居――と云いたいがそうでもない、いろいろの人間が集まって来た。浪人、
遊び人、小旗本の次男、仲のよい田安家の友人達、安御家人《やすごけにん》やごろん棒....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
なかった。金龍の手練は美事であったし、謎のゆたかな肉体というものならば、私程度の
遊び人は、誰しも一生に五人や六人その心当りはあり、然し、そのようなものによっては....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
それを五人の異形の男女が、真ん中にして囲繞いていた。一人は僧侶一人は六部、一人は
遊び人、一人は武士もう一人は振り袖の娘であった。娘は胡坐を掻いていた。そうして弓....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
って来た時に、一つの事件が湧き起こった。そこは丁字形をなしていたが、右手の道から
遊び人ふうの男が、これも酒にでも酔っているのであろう、千鳥足をして現われて来たが....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
禅の袖の長いのを著ていましたが、誰かの黒っぽい羽織を上に引張って手拭で頬被をし、
遊び人とでもいうつもりでしょう、拳固を懐から覗かせて歩くのです。 雨はしょぼしょ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
だった。 和服の着流しに総しぼりの帯、素足に革の草履――という身なりは、どこか
遊び人風めいていたが、存外律義そうな顔立ちで、 「腹が空いてるのンか」 と、き....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
間はこんなに醜いのかと思うと、私は身を切るように落胆したものですよ。すると、その
遊び人のような男が、 『どうです、親方。花川戸の辰親分の内で、いい賭場が開いてい....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
女を、絞殺し去ったからであります。 最初、変事を発見したのは、市さんという村の
遊び人でした。市さんは長らく東京にいましたが、最近郷里に帰ってぶらぶら遊んでいる....
「冬のちょう」より 著者:小川未明
になってしまう。そうなってもちょうをきれいだなどというのは、ただふらふらしている
遊び人だけで百|姓や、また草木をかわいがる人間は、そうはいわない。一|滴からだに....