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遊動
「遊動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊動の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
見つくして三十四五の中番頭から二十四五の店員十数人と入り乱れ、鬼ごっこや繩飛び、
遊動木に鞦韆など他愛なく遊んでいるうちに、銀子がさっきから仲間をはずれ、木蔭のロ....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
うにフラフラ背を揺《ゆす》っていた。 廻旋木《かいせんぼく》にさわってみたり、
遊動円木に乗ってみたり、私は新しい学校の匂いをかいだ。だが、なぜか、うっとうしい....
「火のついた踵」より 著者:宮本百合子
は学生で、浮腰だし……(それとなく室内を見廻す) 英一 おまけに君は、中で一等の
遊動体だろう(笑う)――それにしても、随分会いませんでしたね。あの音楽会は、何で....
「旅愁」より 著者:横光利一
ら眠りおり青き踏む――いいね。これは。」
久慈はこう云って後方にある廻転木馬や
遊動円木の傍の乳母車の中で眠っている幼児を見たり、前方に拡がった美しい芝生を見た....
「屁」より 著者:新美南吉
のペンキでぬられた優美な鉄さくが、門の両方へのびていっている。運動場のすみには、
遊動|円木《えんぼく》や回旋塔《かいせんとう》など、春吉君の学校にはないものばか....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。』 『私は、このままここにいていいのでしょうか。それとも、もう一度、あの車廊の
遊動木を渡って、自分の部屋まで旅行しなければならないのでしょうか。』 『御随意に....
「二十三番地」より 著者:宮本百合子
て、毬投げをするかと思えば、すっかり日が落ちて、あたりがぼんやりするまで木の陰の
遊動円木に腰をかけて夢中になって物《もの》を読んで居たり、小さい子の前にしゃがん....
「盗難」より 著者:宮本百合子
来て御覧なさいまし早く。 と叫んだ。 「何? どうしたの。 「奥の用箪笥が、
遊動円木の傍に出て、ごちゃごちゃになって居ます。 と云う。 私はハット思った....
「小春」より 著者:国木田独歩
いは明らかに、 というもまた全く同じである、もしそれ雲霧を説いて あるいは黙然
遊動して谷より谷に移るもの、往々にして動かざる自然を動かし、変わらざる景色を変え....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
奪われたこと。ワーヴルとプランスノアとの間の道を偵察していた三百人の軽騎兵の斥候
遊動隊によって捕えられた、一人の黒服のプロシア驃騎兵。その捕虜の告げた不安な事が....
「地上」より 著者:島田清次郎
そうした折の朝の光を透して見える和歌子の賞讃と憧憬に充ちた瞳の記憶、また運動場の
遊動円木に腰かけて、みんなして朗らかに澄んだ秋の大空に一斉に合唱するとき、平一郎....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
分の二の空席を余す。聞くところによるに、当日は久しぶりの快晴にて、早天より野外に
遊動に出でたるもの多き故なりという。帰路トリジュリー公園を散歩し、その中に日本庭....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たる所や磯松の間には、チラチラと敵の騎馬や歩卒が見えますが」 「いや、あれはみな
遊動隊にすぎぬ。兵法でいう“紛れ”と申す敵の擬勢だ。あきらかに敵の主力は、和田ノ....
「遊動円木」より 著者:葛西善蔵
て、しめっぽい五月の闇の中を、三人は柔かい芝生を踏みながら帰ってきた。ブランコや
遊動円木などのあるところへ出た。「あたし乗ってみようかしら? 夜だからかまやしな....