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「遊客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
釣船頭だのというものは、洒落《しゃれ》が分らないような者じゃそれになっていない。遊客も芸者の顔を見れば三弦《しゃみ》を弾《ひ》き歌を唄わせ、お酌《しゃく》には扇....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
から、ドンチャカ、ジャカジャカという鳴り物に合わして、奇声をあげながら唄い出した遊客の声がありました。 「ウフフ……。他愛のない事を申しおるな。いっそわしもあの....
河明り」より 著者:岡本かの子
座敷から斜に距てて、木柵の内側の床を四角に切り抜いて、そこにも小さな生洲がある。遊客の慰みに釣りをすることも出来るようになっている。 いま、その釣堀から離れて....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
人煙|指す可く、其|背に津軽富士の岩木山が小さく見えて居る。 青森から芸妓連の遊客が歌うて曰く、一夜添うてもチマはチマ。 五歳の鶴子初めて鴎を見て曰く、阿母....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
るとは一体何にかと訊く少年が現われているらしい気がするのである。 一月、新年の遊客、三々五々押し寄せる日多し。石炭をストーヴへつぎ込むことはこの月の仕事である....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
タスブルンの波止場からS・S王ホウコン号へ乗りこむ。 船客。 あめりか人の漫遊客夫婦二組。遠く北の内地へ狩猟にいくという英吉利の老貴族とその従者。諾威へ帰る....
湯元の秋」より 著者:豊島与志雄
の一要素としての役目をこの高原で演じていることを少しも妨げなかった。「都会からの遊客は、田舎の人々を単に自然の一要素として見るに馴れている、そしてなぜにそうなっ....
画舫」より 著者:豊島与志雄
ていましたが、湖の水はまだ冷たく、舟遊びには早い季節でありました。通りかかりの漫遊客が、季節かまわず舟を出すことはよくありました。けれども、いま、この画舫は、そ....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
けが実現しました。 それから十ヶ月の後、新緑の頃、アメリカから来た老人夫妻の漫遊客を案内して、陳慧君と方福山とは泰山へ出かけました。その一行に、方福山の娘の美....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
生と映画見物にでかけたり、お客に旅行に連れて行つてもらつたり、然し実の心は芸者や遊客の生態に反感を覚えてゐると思つてゐた。その実さういふ生態に同化して育つてしま....
母の上京」より 著者:坂口安吾
売に出て行くらしい話であつたが、元々歌舞伎の下ッ端の頃から幇間なみにお座敷へでて遊客の玩弄物に育つてきた。けれども同じお座敷育ちの芸者たちが日増しに荒れ果てた心....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
川の早瀬にそうた、すこぶる風光明媚な景勝の地であるので、新温泉場の出現とともに来遊客は非常に増加した。また箕面動物園も、いろいろの設備を充実するにつれて来遊者は....
里の今昔」より 著者:永井荷風
の床にと何ならぬ一ふしあはれも深く、この時節より通ひ初《そ》むるは浮かれ浮かるる遊客《ゆうかく》ならで、身にしみじみと実《じつ》のあるお方のよし、遊女《つとめ》....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
僧の消息を一々探り取らせた。 魯八の諜報に依ると、雲水僧は登楼して以来、普通の遊客と少しも違わぬコースを取った。それには僧は一々、相手方の女に問い訊しては、事....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
。 で、大阪市がかつて横たわっておった地方は『巨人の墓場』として知られ、世界漫遊客が必ず訪問するところになっているだろう。 オベリスクの記念塔に比較しては非....