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遊山
「遊山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
う。 その癖、妙な事は、いま頃の日の暮方は、その名所の山へ、絡繹として、花見、
遊山に出掛けるのが、この前通りの、優しい大川の小橋を渡って、ぞろぞろと帰って来る....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
しょう。あの山は、それ茸狩だ、彼岸だ、二十六|夜待だ、月見だ、と云って土地の人が
遊山に行く。あなたも朝夕見ていましょう。あすこにね、私の親たちの墓があるんだが、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いだのは銑さんであった、夢を漕いだのもやっぱり銑さん。 その時は折悪く、釣船も
遊山船も出払って、船頭たちも、漁、地曳で急がしいから、と石屋の親方が浜へ出て、小....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
蛍の名所なのね。」とお雪は引取る。 「ええ、その入口迄は女子供も参りまする、夏の
遊山場でな、お前様。お茶屋も懸っておりまするで、素麺、白玉、心太など冷物もござり....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るにも、少くとも四五|人の従者は必らずついたもので……。 今度はその時分の物見
遊山のお話なりといたしましょうか。物見
遊山と申してもそれは至って単純なもので、普....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
って、下じめも解けかかれば、帯も緩くなる。きちんとしていてさえざっとこの趣。……
遊山旅籠、温泉宿などで寝衣、浴衣に、扱帯、伊達巻一つの時の様子は、ほぼ……お互に....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
情趣を味うとか、草木を愛して見ようとか、遠乗りに行楽しようとか、いずれもただ物見
遊山するもののみであった。 ◇ 向島ではこれらの風流人を迎えて業....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
る。それは春のことで。夏になると納涼だといって人が出る。秋は蕈狩に出懸けて来る、
遊山をするのが、皆内の橋を通らねばならない。 この間も誰かと二三人づれで、学校....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
迄もない。父が熱心な信心家であったこともその一つの原因であろう。僕の幼時には物見
遊山に行くということよりも、お寺|詣りに連れられる方が多かった。 僕は明かに世....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。――日曜に、洋服を着た子の手をひいたのでないと、父親の、子をつれた旅は、いずれ
遊山ではありません。何となく、貧乏くさい佗しいものです。私なども覚があります。親....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
さ。」 俯向きざま掌に掬いてのみぬ。清涼|掬すべし、この水の味はわれ心得たり。
遊山の折々かの山寺の井戸の水試みたるに、わが家のそれと異らずよく似たり。実によき....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
た。―― それは、白山の家を出て、入費のかからない点、屈竟ばかりでなく、間近な
遊山といってもいい、植物園へ行って、あれから戸崎町の有名な豆府地蔵へ参ろうと、御....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
とに分れて、城の櫓と、巨刹の棟が見える。俗に魔の火と称えて、この山に棲む天狗が、
遊山を驚かすために、ともすると影のない炎を揚げて、渠等の慌て騒ぐのを可笑がる……....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
午後三時ごろに午後の礼拝を行う寺あれども一般ならず。 米国にて、同志相募り遠足
遊山をなすことあり、これをピクニックという。しかるときは、あらかじめ時日と場所と....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
いに己の菓子をほかの者に配付して、互いにモテナシをするありさまは、わが国の花見か
遊山に、おのおの弁当を持参して、互いに配付しあうと同一である。また、ほかの客を招....