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「遊惰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊惰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いのは豪気《ごうき》なものです。 と言うのは、年々歳々、日を追うて次第に士風の遊惰に傾くのを痛嘆いたしまして、士気振興武道奨励の意味から、毎年この四月の月の黄....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、日本中で一番美しい青年を見たような気がした。が、その美しさもいわゆる俳優的な遊惰な媚色であって、どの線どの陰影の中にも、思索的な深みや数学的な正確なものが現....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の稽古しているんじゃねえ。喧嘩しているんですぜ」 「心得ておる。世を挙げて滔々と遊惰にふける折柄、喧嘩を致すとは天晴れな心掛けと申すのじゃ。もそッと致せ。見物致....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
する「母なる土地」であると同時に、またしばしば刑罰の鞭をふるってわれわれのとかく遊惰に流れやすい心を引き緊める「厳父」としての役割をも勤めるのである。厳父の厳と....
黒百合」より 著者:泉鏡花
って頷いた。 「はははは、愉快じゃな。勿論、淫魔を駆って風紀を振粛し、且つ国民の遊惰を喝破する事業じゃから、父爺も黙諾の形じゃで、手下は自在に動くよ。既にその時....
微笑」より 著者:豊島与志雄
巻いていた。※が心地よく細っていて、額が広かった。少し離れてみると、顔の上半分に遊惰と低能との趣きがあり、下半分に女好きのする魅力が漂っていた。いつも毛皮の襟の....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
年と共に殖えてゆく。 私は胸糞が悪くならざるを得なかった。それほど私のうちには遊惰な心が蟠っていたのだ。民衆の中堅たる最も健全勤勉な人々を、右のように漫画視し....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
の発生を意味する。婦人解放の機運は、イプセンにノラを描かせた。富裕なロシヤ貴族の遊惰は、ゴンチャロフにオブローモフを描かせた。自由主義の思潮は、ツルゲネーフにバ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
きかした。クリストフには気品がないのだと人々は思っていた。 メルキオルの放縦と遊惰とにつれて家計の困難はつのってきたけれど、ジャン・ミシェルがいる間は、どうか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いた。大胆な立ち入った覚え書きを発表していた。人|真似《まね》をして時間をつぶす遊惰な大子供たるパリー人中で、それらの完全な猿《さる》どもが牛耳《ぎゅうじ》を取....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
。いにしえ極度に節約した結果であっても、家に余分の富が積まれていれば、自然子孫は遊惰になるが、身分相応のびのびと生活してその中で成長した子供なら、金はなくても立....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
らびくびくものでする昼日中の接吻、炎暑、海の匂い、絶えず眼さきにちらちらしている遊惰でおしゃれな腹いっぱい満ち足りた連中、そうしたもののおかげで彼はまるでがらり....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
葉をも齎らさず、来るべき新時代の雄渾な精神の輝やかしき象徴たり得ずして、ついには遊惰の長雨に腐れ果ててしまうのだ。……なあ、そうではないか?……まあ、今度は俺は....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
裕に三十万石を超えていたに違いない。 これほど、豊かな鶴岡藩であったから藩士は遊惰に流れ、釣りなど道楽半分に弄ぶのかと思うと、それは大間違いであった。幕府が酒....
」より 著者:神西清
もまったく合致するのである。しかし私は、間食だの昼飯だの晩食だの、また騒々しさ、遊惰、お喋り、下品さなどという、この郡下の雑多な連中が私の家へ持ちこむにきまって....