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遊泳
「遊泳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊泳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
あ、気味が悪いなあ。土左衛門の足かと思った。」
それは半ば砂に埋《うず》まった
遊泳靴《ゆうえいぐつ》の片っぽだった。そこには又海艸の中に大きい海綿もころがって....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
見ていろ」と言って、僕を列の中から出してしまったこともあった。 が、困ったのは
遊泳だった。 最初の夏は、伊勢のからすという海岸へ
遊泳演習に行った。 先生は....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
ぎては国運と民心の弦線は決して妙音を発するわけには行かないのではないか。 官海
遊泳術というものについてその道に詳しい人の話だというのを伝聞したことがある。それ....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
くを知らないのであるが、ともかくも滔々として天下をおぼらすジャーナリズムの波間に
遊泳することなしにはいわゆる俳壇は成立し難いように見える。一派の将は同時に一つの....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
っておじぎをしたりする。それが、そう思って見ると、あの先刻見て来た熱帯魚の群れの
遊泳するさまとかなりまで共通なところがあるように思われたのであった。 ....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
鳥を二羽、宿の裏手の鶏小屋の片すみの檻に養っている。それを時おり池へ連れて来ては
遊泳の練習をさせている。もう少し大きくなったら放養するのだという。みずすましとち....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
というのも実際は敵にも味方にも用心して、衆愚には目をそむけるってわけだ。僕の社会
遊泳の終わりは、君の兄貴の解釈によるとこうなんだ……社会主義の色調などにはお構い....
「俊寛」より 著者:倉田百三
他人、その祖先、無数の人々の結んだ恨みが一団になって渦巻いている。わしはその中に
遊泳しているにすぎない。わし自身の欲望はその大いなる霊の欲望に征服される。そして....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
もいうべきことを述べてみよう。 四季いずれの時も、鯛を釣るにはその棚つまり魚の
遊泳層を心得ておかねばならない。小鯛は、普通底から半|尋乃至一尋くらいが棚である....
「夏の町」より 著者:永井荷風
取払われ、浮洲に茂った蘆の葉は二度と見られぬものとなった。 一通《ひととおり》
遊泳術の免許を取ってしまった後《のち》は全く教師の監督を離れるので、朝早く自分た....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
準備をしたのであったが、時も時、鬢長君なにを感じるところあったか、自身米国近海に
遊泳したので、昨年は米国において鬢長大漁とあって、日本の鬢長は再び断髪流行の日本....
「西航日録」より 著者:井上円了
にその名高きをもって一日訪問せり。リズバーン中学内には、生徒のために構内に一宇の
遊泳場を設け、冬時は蒸気をもって水温を高め、四時校内にて
遊泳の自在を得る設備あり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
巒州の波間に隠映するあり。午時太陽を仰ぐに、頂天よりやや北方にあるを覚ゆ。船中に
遊泳場を設け、朝夕客をして浴泳をなさしむ。夜に入り黒雲四方に遮り、はるかに電光を....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
燈飾は華美だし、雑踏する群集も真夏の軽装だし、一々にそれらが鮮新な発光体となって
遊泳して、両側のショウウィンドウの中までが、まるで水晶宮のように水々しく照り反す....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
スターを掲げたり、宣伝用の自動車を並べたりしていた。僕の水泳を習いに行った「日本
遊泳協会」は丁度、この河岸にあったものである。僕はいつか何かの本に三代将軍家光は....