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遊牧
「遊牧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊牧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うわけも、読者諸君にのみ込めたことだろうと思う。
じっさい、裾《すそ》はるかを
遊牧する土民中の古老でさえ、その主峰の姿をいまだに見たものはない。したがって、高....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するには、季節に応じて変ってゆく牧場を絶えず新たに求める必要があるので、こういう
遊牧民の居所は彼らの家畜によって定まることになっていった。決してその逆ではなかっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
其についでは創世記、詩篇、約百記なぞも愛読書目の中にある。アブラハム、ヤコブなぞ
遊牧族の老酋長の物語は、十勝の山中に牛馬と住む己が境涯に引くらべて、殊に興味が深....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
埃及人・とるこ人・シリヤ人・回教を信じようとしない「西方から来た白い悪魔」たち・
遊牧の貴族べずいん人。その黒くうるんだ大きな瞳・鼻筋から両眉のあいだへ円く巻いて....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
る回々教寺院の月章。砂ぶかい大通り。駱駝のむれ。三角の毛皮帽をかぶったキルギス族
遊牧の民。カザクスタン共和国の、クリイム。 オムスク――むかしシベリア政庁のあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
教え、国家性を教え、社会性を教ゆるところの最初のものとなります。 原始の人類は
遊牧の民でありました。彼等は食のあるところが住のあるところでしたから、漂浪がすな....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ず、
心ちいさき野の人は
岩屋の奥に身をひそめ、遠近《おちこち》の野をさすらいて
遊牧の民は野を荒らし……
猟人《さつお》は槍と矢をもちて
森より森といかめしく走....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
*ヨーロッパ洲の極北、スカンジナビア半島の北東部、四〇万平方キロ一帯の寒い土地。
遊牧民のラップ人がすむ。 すると、となかいがひきとって、 「そこには年中、氷や....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
》されるようなあんな家へは、次第に足が向かなくなってしまったんだ。云ってみりゃあ
遊牧の群だね」 周平は初めから注意深く村田の言葉を聞いていた。村田の話には、例....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
たがきつい調子で、盛んに論じ立ててジプさんをやりこめてるらしかった。――原始人の
遊牧的な生活は、楽しい生活ではなかったに違いない。彼等は淋しく悲しかった筈だ。―....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ヤがそうであったが、街娼は概して個性的だ。つまり保守農民型は公娼となって定住し、
遊牧ボヘミヤン型は街娼の型をとるのかも知れない。 現在の日本は、公娼と街娼が混....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ー雪峰の山北を横ぎってトルボへ出てから道のない山の間を三日路ばかり辿って行くと、
遊牧民の来て居る西北原に出られる道筋があるという。仮し
遊牧民が来て居らいでも其原....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
ずに投棄した習俗のあったことは、葬儀をハフルと称した点からも推察されるのである。
遊牧期にある民族としては、こうした習俗は当然のことであって、実際を言うと水草を趁....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
にあったからである。けれども、四世紀に入るとまもなく、アジヤ大陸の東北部における
遊牧民族の活動によってその地方のシナ人の政治的勢力が覆えされ、半島におけるそれも....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
んありました。いわゆる浮浪民たる無籍者です。 浮浪民となったものは、はじめから
遊牧的の浮浪生活をつづけ、あるいはその居所が山間僻地にあって、国家の監督の目から....