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運勢
「運勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
運勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
のえうま》だと知ると、八卦見はもう立板に水を流すお喋《しゃべ》りで、何もかも悪い
運勢だった。「男はんの心は北に傾《かたむ》いている」と聴いて、ぞっとした。北とは....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いて、自分の誕生日における諸星の位置を尋ねる。そうして潤沢な見料と引換に、自分の
運勢の大要を教わるのである。何か一つの企てをある決まった日に遂行しようという場合....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
のを待てば、いつになったら現われるか分ったものではない。仕方がない。これが今日の
運勢なんだろう。諦めが肝賢だ。 「おいオジサン、この車でも走るかい」 「走るかい....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
よ。(札をかたづけつつ)私は今晩は負けてばかりいました。(考える)ことしはどうも
運勢がよくないらしい。 村萩 花合わせのようなものでも、負けると気持ちのいいもの....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
紙へ墨の一文字を引いて持参に及ぶと、先生はじっと見詰めてその一文字から私の性格や
運勢や病気を発見するのであります。それが不思議に当たるのでした。 私は思いまし....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
いうっかりと美人の鼻の穴の黒き汚れや皺の数とその方向に見惚れたり、その皺によって
運勢までも観破しかねまじき眼光の輝きをわれながら感じて来た。 でも、この地球の....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
い法に墨色判断というものがある。その法は、白紙へ引かれた墨の一文字によって、その
運勢と病気と心の悩みを判断するのである。 私はそれを非常に面白い占い法だと思っ....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
ころで「こよみ」を見せてほしいといった。すると「こよみ」とはあなたらしくもない。
運勢でも調べるのですかと問われた。来月の某日が何曜日になるかを見たいのだと答える....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
街を散歩して、あるいは飾窓の絵や、塀のビラを眺め、あるいはひそかに往来の人びとの
運勢をうらなったりして、私の若い時からの嗜好を満足させていた。 このX市には、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
をした後、よし子のトランプを借りて、一人隅の方の卓子で、ペーシェンスで、その日の
運勢を占い始めた。 こんな水商売を始めてみると、新子もいつの間にか、御幣かつぎ....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
若い女中は来年の暦を買いそこねてしまった。 毎年大晦日の晩、給金をもらってから
運勢づきの暦を買いに出る。が、今夜は例年の暦屋も出ていない。雪は重く、降りやまな....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
る。 四柱というのは、人の生まれた年・月・日・時刻の四つから判断して、その人の
運勢を見る法なのである。 易者は私の四柱をしらべていたが、 「こらえらいええ四....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
て武家を気取っていた。が、幕府が瓦解し時勢が一変し、順風に帆を揚げたような伊藤の
運勢が下り坂に向ったのを看取すると、天性の覇気が脱線して桁を外れた変態生活に横流....
「城」より 著者:カフカフランツ
うに無価値な手紙の山のなかから手あたり次第に引き抜かれたもので、任意の一人の男の
運勢を山のようなおみくじのなかからついばんで引き出すために、歳の市でカナリヤを使....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ックスは、現実に得意の壇場に帰ったのであろう。たぶん、バアリイに死なれたセシルの
運勢は、衰微に向かっているのであろう。と、ベエコンは思うのだった。今日まで、一年....