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「過ぎる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

過ぎるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
坐っている大学生は勿論弟に違いあるまい。三番目のは妹にしては器量《きりょう》の好過ぎる娘さんである。四番目のは――とにかく四番目以後の人にはこれと云う特色もなか....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
めには乏しくなかった。が、それだけにまた旦那《だんな》が来ない夜《よ》なぞは寂し過ぎる事も度々あった。 「婆や、あれは何の声だろう?」 「あれでございますか? ....
」より 著者:芥川竜之介
ねぎ》の山が浮んで来る。と思うとたちまち想像が破れて、一陣の埃風《ほこりかぜ》が過ぎると共に、実生活のごとく辛辣《しんらつ》な、眼に滲《し》むごとき葱の※《にお....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の往来は時刻がらだけに前よりも一層混雑していた。が、庚申堂《こうしんどう》を通り過ぎると、人通りもだんだん減りはじめた。僕は受け身になりきったまま、爪先ばかり見....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
隣を覗きながら、そう云う嬉しさにそやされていた。が、余り虫の好《い》い希望を抱き過ぎると、反《かえ》ってそのために母の病気が悪くなって来はしないかと云う、迷信じ....
おしの」より 著者:芥川竜之介
いる。しかし大体《だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても差支えない。いや、端正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。 女はさも珍らしそうに聖水盤《....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
わしい予感に襲われた。しかしここへ来かかった以上、元《もと》より彼等の口論を見て過ぎる訳にも行かなかった。そこで彼はまず見覚えのある、その一人の若者に、 「どう....
将軍」より 著者:芥川竜之介
とっさ》に身構えをした。と思うと眼がぱっちりあいた。「憾《うら》むらくは眼が小さ過ぎる。」――中佐は微笑を浮べながら、内心|大人気《おとなげ》ない批評を下した。....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
ませるのです。これは私の気の迷いか、あるいはあの画が世の中にあるには、あまり美し過ぎるからか、どちらが原因だかわかりません。が、とにかく妙な気がしますから、つい....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
なるのに閉口したから。)そんなことを話して歩いて行った。気候は海へはいるには涼し過ぎるのに違いなかった。けれども僕等は上総《かずさ》の海に、――と言うよりもむし....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
提灯《ぼんちょうちん》へ火のはいった縁先のうす明りにかしこまって、かれこれ初夜も過ぎる頃まで、四方山《よもやま》の世間話をして行きました。その世間話の中へ挟みな....
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
中を「悠々荘」の玄関へ引き返した。花芒はいつか風立っていた。 「僕等の住むには広過ぎるが、――しかしとにかく好い家だね。……」 T君は階段を上りながら、独言の....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーは前もって「ゆっくり」と書いた紙を作って置いて、講演が少し速くなり過ぎると思うと、助手のアンデルソンが傍から見せる。また「時間」と書いたのを作って....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
歩いてくるのが目に入るのではないかと恐ろしい思いをした。疾風が木々のあいだを吹き過ぎると、もしや「早駈けヘッセ人」がまたもや夜ごとの徘徊にさまよいでてきたのでは....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
病んで死んでしまった。本所の印象記の一節にこういうことを加えるのは或は私事に及び過ぎるのであろう。しかし僕はO君と一しょに両国橋を渡りながら大川の向うに立ち並ん....