» 過る

「過る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

過るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
良夜」より 著者:饗庭篁村
て眠られぬまま立出し」とあらましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過ると明日ダルキ者なり、夜露にかかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言に、「....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
無雑作に受合った。 角川安行の父子が吉岡家を辞して、帰途に就いたのは午後四時を過る頃であった。ここらの冬の日は驚くばかりに早く暮れて、村境を出る頃には足下が漸....
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
る》わせて鳴った。ある時は、喬の現身《うつせみ》は道の上に失われ鈴の音だけが町を過るかと思われた。またある時それは腰のあたりに湧《わ》き出して、彼の身体の内部へ....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
易えて、頭を低くうなだれました。私は、正当な刑罰が、否彼の犯した罪悪に比ぶれば軽過るが、然し現在の刑法では極刑に当る刑罰が宣告され、その男が刑罰に対する、相当な....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
れを言わん、浮浪の壮士が御老中にても暗殺せしにはあらざる歟と。老僕聞て大に驚き、過る三月三日、桜田の一条を語りければ、一船ここに至りて皆はじめて愕然たり。 予....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
力が仲々強い、老母すら時々この女中の言うことを聞かなければならぬ事もあった。我儘過るとお清から苦情の出る場合もあったが、何しろお徳はお家大事と一生懸命なのだから....
わかれ」より 著者:国木田独歩
ともなく響く銃の音沈みて聞こゆ。青年はしばし四辺を見渡して停止みつおりおり野路を過る人影いつしか霧深き林の奥に消えゆくなどみつめたる、もしなみなみの人ならば鬱陶....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
取散して置くとか夫くらいの事は仕そうな者だ、老人を殺しながら夫をせぬとは余り馬鹿過ると云う者だ警察官「爾さ別に此室を取散すとか云う様な疑いを避ける工夫は仕て無ッ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
去り掛けた「コレ、コレ待て、貴様は幾等欲しいのか」子供「十磅」余「エ、夫は余り高過る」子供「でも頼んだ人から手紙が来て、此の広告を知らぬ顔で居れば今から二月の後....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
様御同道にて御出願ひ上候。遠方|故御出なくば、御詠にてもいたゞき度、此段申上候。過る比福羽君に一寸御目にかゝり、御咄きゝ候間、ちと/\三八在宿に候まゝ、御とまり....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
。 道は左岸の段丘の上に通じて、暫くは喧しい瀬の音も耳にしなかった。宇奈月谷を過ると桃原である。十数年前までは一面の桃林であったというが、今はもう名残の木も見....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
民をめし課る事紀にも見ゆ、然れば前だちて八九月の比より遠江へもいたれる官人此野を過る時よみしも知がたし」(考)という想像説を既に作っているのである。共に、同じく....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が皆江戸|物を買って来るだから好いでや、此間の干魚なざア大層うまかったが、チト甘過るだ、己ア方では口のツン曲るようでなければ喰ったような心持イしねえんだ、あんた....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
呉れろと、そう云われては貸さずには居られない、色気も恋も醒めてしまった、余り実地過るが、それじゃア婆が最う五円くすねたな、太え奴だなア、それはいゝが、その大事な....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
のだから少しぐらいの事では毀れもしまいが、此の才※で擲って毀れないとは些と高言が過るようだ」 と嘲笑いましたから、正直|一途の長二はむっと致しまして、 長「....