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過剰
「過剰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
過剰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た髪の毛は少しもつれて汗ばんで額ぎわに粘りついていた。それは病気を思わせるよりも
過剰の健康とでもいうべきものを思わせた。ただその両眼と口びるだけは明らかに尋常で....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
全体を諸君全体に無償で譲り渡します。ただし正確にいうと、私の徴集した小作料のうち
過剰の分をも諸君に返済せねば無償ということができぬのですが、それはこの際勘弁して....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
それで間に合わせなければならなかったかも知れない。男子らはその仕留めた野獣や魚の
過剰なものよりしか婦人たちには与えなかったろうと思われるからである。それでこれら....
「河明り」より 著者:岡本かの子
の人事に絡み込まれるのを危く感じたが、それよりも、いまの取り止めない状態に於て、
過剰になった心にああいう下町の閉された蔵造りの中の生活内部を覗くことに興味が弾ん....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
しなけりゃならんのだ。交通の便利という満足の中に悲哀が含まれておる。 ▲人口が
過剰すると淘汰が行われる。限りある都市の地積が一杯になると四捨五入して余分を市外....
「海底都市」より 著者:海野十三
《こきゅうかぶと》を頭にかぶせようと思うんですの。つまり、適当に酸素を補給させ、
過剰の炭酸|瓦斯《ガス》が排出《はいしゅつ》されるようになっていればいいんですか....
「火星探険」より 著者:海野十三
不幸な手段によらずに、おだやかな話し合いで万事うまく解決すると信ずるのです。人口
過剰問題も資源不足問題も、互いに助け合う心さえあれば、必ず解決すべきことです。ぼ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
わぬのだろう。いや「過不足なき」というが、果して日本の文学の人間描写にいかなる「
過剰」があっただろうか。「即かず離れず」というが、日本の文学はかつて人間に即きす....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
で飾られた寺院本、紋章や唐草や絡み模様などでけんらんと装われた貴族蔵本などは自ら
過剰な、華飾的な此等の生活と風俗を具えている。蓋し当然事である。印刷術の発明、大....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
力は不必要です。女性にだって綿密な注意と沈着な態度があります。英国のような女性の
過剰な国にあっては、地球をめぐって日の没せざる大英帝国を護るに女軍の補助、否第一....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
ている。 夫人は部屋のカーテンを順々にめくり初めた。第一の窓から見る樫の茂みが
過剰な重みで公園の鉄柵を噛んでいる。第二の窓からやや遠方を見る。其処の屋上起重機....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ごとく安心してこの縁談を取り決めますでしょう。それに、たとえ私の彼に対する友情が
過剰であろうとも、彼を見る私の判断力にはいささかの不公平もございません。なぜなら....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
以外に道はありません。現在、わが国経済界の実情は物資不足の時期は通り過ぎて、物資
過剰のときとなって、資本家、企業家は生産制限をたくらんでおります。しかるに政府は....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
努めるのが人情でありましょう。 しかし、女のヒステリーなるものは、持って生れた
過剰な愛欲の変形したものですから、――しかも愛欲だけ
過剰であって、他の感情が少い....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
制限論者は勿論、現世の人々はこういう言葉に微笑しない訳にはゆかないであろう。人口
過剰に苦しんでいる僕等はこんなにたくさんの人間のいることを神の愛の証拠と思うこと....