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過去帳
「過去帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
過去帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、あにい。まだふにおちませんかね」 「はあてね。寺帳とね。亡者《もうじゃ》調べの
過去帳なら話もわかるが、寺帳とはまた初耳だ。そんなものを調べたら、何のなにがし、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろ」 幸次郎は心得て出て行った。半七は茶の間へ戻って、お浪にことわって仏壇から
過去帳を出して繰ってみると、月の四日のところに釈寂幽信士と戒名が見えた。新兵衛が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばらく変ったこともなかったが、十二日の宵に奥の間の仏壇から火が出て、代々の位牌も
過去帳も残らず焼けてしまった。宵の口のことであるから、大勢がすぐに消し止めて幸い....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
を其の後に書して曰く」とやって居るのは、どうかと思うのである。恐らく、名前は寺の
過去帳に書いて行ったのであろう。それが今、如意輪堂に行くと、堂々と此の歌を書きつ....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
汁に茄子か筍の煮たのにせよ御膳立をして上げるのだから頗る手間がかかるので、これも
過去帳を繰って見れば大抵無い日は無い位のもの。また亥の日には摩利支天には上げる数....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
が其の山へ出張る事ですから、長二も福泉寺の和尚に面会して多分の布施を納め、先祖の
過去帳を調べて両親の戒名を書入れて貰い、それより和尚の案内で湯河原村の向山にある....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
すわった四五人の中でもう二人は故人となった。そのもう一人は歌人のS・A氏である。
過去帳 丑女が死んだというしらせが来た。彼女は郷里の父の家に前後十五年近く勤め....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
放題。いずれ旧藩中ばかりの石碑だが、苔を剥かねば、紋も分らぬ。その墓地の図面と、
過去帳は、和尚が大切にしているが、あいにく留守。…… 墓参のよしを聴いて爺さん....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
国へ流転のうちに、無縁同然なんですから、寺もまた荒れていますしね。住職も留守で、
過去帳も見られないし、その寺へ帰るのを待つ間に――しかし、そればかりではありませ....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
なったものを今更と云ってもうたずねさせなかった。それだもんで後白河法皇の長講堂の
過去帳にも義王義女仏|閉等のが尊霊と一所に書き入れられたと云うことである。 ....
「夏」より 著者:寺田寅彦
夜に尽きるようである。 (昭和五年七月『大阪朝日新聞』) 三 暑さの
過去帳 少年時代に昆虫標本の採集をしたことがある。夏休みは標本採集の書きいれ時....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
父上は高笑いを遊ばして、この証人のワリ判はお寺の老禅師のものだが、ついでにお寺の
過去帳の方にも未来の分を書いておいたぜ、と大笑いでした。葬式のマネゴトをやるにつ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、たとえば信長の母の名は何であるかという段になると大騒ぎになる。系図を捜しても、
過去帳を見ても、位牌を突きとめても、名はでてこない。 昔の系図を見ると、男の名....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
こと例のごとし。 渡り鳥仰ぐに痛き瞳かな 白木の位牌を取り納めて、英一の戒名を
過去帳に写す。戒名は一乗英峰信士、俗名石丸英一、十八歳、大正九年十月九日寂。書き....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
疽に相違ない、至極の難症にして多く鬼籍に入るを免れずと医書に有る、鬼籍というのは
過去帳のことで、仏さまの
過去帳につくを免れずと云うのは死ぬより他に仕方は無いが、....