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道づれ
「道づれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道づれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
川向うへ年始に行き、帰りに両国橋を渡って来ると少しも見知らない若侍が一人偶然父と
道づれになった。彼もちゃんと大小をさし、鷹の羽の紋のついた上下を着ている。父は彼....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ょう。けれどもさしあたり神学生も、おなじウェッツラ(四輪馬車)にのりあわせた旅の
道づれも、それをくちびるにのせたものはありませんでした。 毒のあるはえ者がおり....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ぜといって、ふたりともいい人たちだったからです。ただ、ヨハンネスは、この知らない
道づれが、じぶんよりもはるかはるかかしこい人だということに、気がつきました。この....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に饒舌る、飜訳者からすれば、不埒ともいうべき若いのは、想像でも知れた、辻町糸七。
道づれなしに心中だけは仕兼ねない、身のまわり。ほうしょの黒の五つ紋(借りもの)を....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
屋を尋ねあぐんで、泣きそうになったとあるです。ところで其許は、道中松並木で出来た
道づれの格だ。その
道づれと、何んと一口|遣ろうではないか、ええ、捻平さん。」 「....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
の人たちの前、ちと三島で下りるのが擽ったかったらしい。いいかこつけで、私は風流の
道づれにされた次第だ。停車場前の茶店も馴染と見えて、そこで、私のも一所に荷を預け....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
潜り、鵲が急ぎもせず、翼で真白な雲を泳いで、すいと伸し、すいと伸して、並木の梢を
道づれになった。可懐いその姿を見るのも、またこの旅の一興に算えたのであったから―....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
分で死ぬのは、間違いにしろ、勝手だが、死ぬのに一人死ねないで、未練にも相手の女を
道づれにしようとして附絡うのは卑劣じゃあないか。――投出す生命に女の連を拵えよう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
違って、雨傘は、開いて翳しても、畳んで持っても、様子に何となく色気が添って、恋の
道づれの影がさし、若い心を嗾られて、一人ではもの足りない気がすると言う。道を土手....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
生報国」と書いて、玄関の上にかかげた。 ◯自分一人死ぬのはやさしい。最愛の家族を
道づれにし、それを先に片づけてから死ぬというのは容易ならぬ事だ。片づける間に気が....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
う邪怪なんでしょうネ。いいわ、あたしゃ、ここで死んじゃうわよ、もちろんお前さんを
道づれにして――」 「こーれ、危いというのに。第一、みっともない――」 といっ....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
謝して居りました。長い間の心労で疲れきってしまい、健康を害している夫人は私という
道づれが出来たのを幸いに、一緒に帰京して少時保養することになりました。その準備に....
「飴チョコの天使」より 著者:小川未明
ゆく音しか聞くことができませんでした。 箱車を引いてゆく男は、途中で、だれかと
道づれになったようです。 「いいお天気ですのう。」 「だんだん、のどかになります....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
たりで、いかれそうにもないわ。」 ジョウがいうと、ローリイも、 「ぼく、ベスの
道づれになりますよ。でも、ぼくがその旅におくれたら、やさしい言葉をかけてくれるで....
「城」より 著者:カフカフランツ
知合いになることはたいして有利だとも思われなかったのだが、元気をつけてくれるよい
道づれであるようには思えた。二人はKの言葉を聞いたが、ただうなずいただけで、いき....