» 道ばた

「道ばた〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道ばたの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親ごころ」より 著者:秋田滋
なっていることに気がついた。庭のなかを探してみたが、やッぱりいない。そこで父親は道ばたに出て、声を限りに呼んだ。 「ジャン! ジャーン!」 もう暮色が蒼然とあ....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
はあたりを眺めながら、青田《あおた》の間《あいだ》を歩いて行った。するとたちまち道ばたに農夫の子らしい童児が一人、円《まる》い石を枕にしたまま、すやすや寝ている....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ざいましたら、刃傷沙汰《にんじょうざた》にも及んだでございましょうが、甥はただ、道ばたの牛の糞《まり》を礫《つぶて》代りに投げつけただけで、帰って来たと申して居....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
きもちにも、ほどがあるよ。」 老婆は、鼻の先で笑いながら、杖《つえ》を上げて、道ばたの蛇《ながむし》の死骸《しがい》を突っついた。いつのまにかたかっていた青蝿....
歯車」より 著者:芥川竜之介
でないとすれば、――僕は頭だけ歩いているように感じ、ちょっと往来に立ち止まった。道ばたには針金の柵の中にかすかに虹の色を帯びた硝子の鉢が一つ捨ててあった。この鉢....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
しい往来を歩いて行った。が、肝腎の天神様へは容易に出ることも出来なかった。すると道ばたに女の子が一人メリンスの袂を翻しながら、傍若無人にゴム毬をついていた。 「....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
めには、手段を選んでいる遑《いとま》はない。選んでいれば、築土《ついじ》の下か、道ばたの土の上で、饑死《うえじに》をするばかりである。そうして、この門の上へ持っ....
或る女」より 著者:有島武郎
て見て、自分ながら同じ心とは思い得なかった。そして門を出て左に曲がろうとしてふと道ばたの捨て石にけつまずいて、はっと目がさめたようにあたりを見回した。やはり二十....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
るが、みどりの指をやさしくからみあっていました。かわいらしい半裸体のこどもらが、道ばたの香り高い月桂樹の林のなかで、まっ黒なぶたの群を飼っていました。もしこの景....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
一箇《ひとり》は叫べり。 血気事を好む徒《てあい》は、応と言うがままにその車を道ばたに棄《す》てて、総勢五人の車夫は揉《も》みに揉んで駈けたりければ、二、三町....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いささか気が咎むるゆえであろう。 籠を出た鳥の二人は道々何を見ても面白そうだ。道ばたの家に天竺牡丹がある、立ち留って見る。霧島が咲いてる、立ち留って見る。西洋....
転機」より 著者:伊藤野枝
不案内な道を教えられるままに歩いて古河の町外れまで来ると、通りは思いがけなく、まだ新らしい高い堤防で遮られている道ばたで、子供を遊ばせている老婆に私はまた尋ねた。老婆はけげんな顔をして私達二人....
火星兵団」より 著者:海野十三
どころか、鬼畜にもまして、火星人は冷たい心の持主なのだ! 下町の、とある横町の道ばたで、女の子が五、六人、チョークで白い輪をかいて、楽しそうに石けりをしていた....
金属人間」より 著者:海野十三
なったのですかな」 「針目博士邸――いやこの研究所からとび出したQがねえ、きみ、道ばたで、アルミの屑《くず》かなんかをふとんにして寝ていたんだ。Qは金属だから、....
超人間X号」より 著者:海野十三
しやっぱり自分たち二人のほかに、何者の姿も見えない。目につくのは、すこしうしろの道ばたに、一本の大きな木が立っているだけであった。 「もしもし、あなたがたは、こ....