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「道中記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道中記の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虫干し」より 著者:鷹野つぎ
さわ》ってみたり、文庫の中をのぞいて見たりするのですが、その中には祖父の句集や、道中記などの半紙綴りのものなどもありました。 父が此の上もなく大切にしている堆....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、国が暗くなる気勢がする。 時に湯気の蒸した風呂と、庇合の月を思うと、一生の道中記に、荒れた駅路の夜の孤旅が思出される。 渠は愁然として額を圧えた。 「ど....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
らぬ。一里ごとに塚を築き、榎を植えて、里程を知るたよりとした昔は、旅人はいずれも道中記をふところにして、宿場から宿場へとかかりながら、この街道筋を往来した。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
った旅商人、その他、宿から宿への本馬何ほど、軽尻何ほど、人足何ほどと言った当時の道中記を懐にした諸国の旅行者が、彼の前を往ったり来たりしていた。 まず街道にも....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
てから、死ぬまでの一生は、一つの旅路です。しかし、その旅は、「名物をくうが無筆の道中記」でよいものでしょうか。私どもは二度とないこの尊い人生を、物見遊山の旅路と....
みちの記」より 著者:森鴎外
十八日、上田を発す。汽車の中等室にて英吉利婦人に逢う。「カバン」の中より英文の道中記取出して読み、眼鏡かけて車窓の外の山を望み居たりしが、記中には此山三千尺と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ほうほうの体《てい》で家の中へ逃げ込んだ道庵先生は、座敷へ入ると、ケロリとして道中記をながめています。 道庵先生にとっては、今がその小康時代ともいうべきもの....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
難う。」 香のものがついて、御飯をわざわざ炊いてくれた。 これで、勘定が――道中記には肝心な処だ――二円八十銭……二人分です。 「帳場の、おかみさんに礼を言....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
です。」 「へい、大きに――」 まったくどうものんびりとしたものだ。私は何かの道中記の挿絵に、土手の薄に野茨の実がこぼれた中に、折敷に栗を塩尻に積んで三つばか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、ずっと近江路へのして待っていな――近江路はそうさねえ、草津か、大津か――いま道中記を見て、しかるべき宿屋へ当りをつけて置いてやるから、そこで、ゆっくり待って....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
だのと、お愛想までが薄ら寒い谷川の音ももの寂しい。 湯上りで、眠気は差したり、道中記を記けるも懶し、入る時帳場で声を懸けたのも、座敷へ案内をしたのも、浴衣を持....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
て立場へ来ても、客を見かけて、初めて飯を炊くというような風で、待ちどおしかった。道中記を調べると随分名物も記してあるが、そんな物も一切目に入らなかった。ただ福島....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
不幸な人々のために一骨折るところですが、最後は妙なハッピエンドです。丁度水戸黄門道中記みたいに、どたん場で、大金持の息子という身分を明らかにして、暴力団のピスト....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
といいましたので、サラット師の著書と相違して居るといった人もあるそうですが、私は道中記はなるべく簡略にしてくれろという御注文もあり、かたがた省き得らるるだけは省....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
り。 その方法は、ただ内地の都会および名所に西洋風の旅店を新設すると、土地案内道中記を作りて広く外国人に配布するとの二条にほかならず。しかして、わが国は天然に....