道化師[語句情報] » 道化師

「道化師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道化師の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
ん。アネサの眼鏡を借りなさい」 いつでも、こんな乱暴な命令口調で言うのでした。道化師は、素直にアネサの眼鏡をかけました。とたんに、二人の娘は、笑いころげました....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ころが、その松毬というのが、寝台の天蓋にある頂飾にあって、それがまた、薄気味悪い道化師なんだがね」とそれから帷幕の中に入って、蒲団の上に、卓子や椅子を一つ一つ積....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
の目が通れば……。」 「僕は御免ですよ。」 庸三はこの場合博士の前で、莫迦げた道化師にされた鬱憤を、それでいくらか晴らしたような気もしたが、記者につづいて、博....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
せられなかった。小さい時分は一家じゅうの寵児である「三毛」の遊戯の相手としての「道化師」として存在の意義を認められていたのが、三毛も玉も年を取って、もうそう活発....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
そこがドイツ向きなところかもしれない。ここの楽屋で始終影のようにつきまとう一人の道化師がある。これが不思議な存在である。断えず出入りしているが劇中の人には見えな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぁとんと夢中になりきれるほどの役者が出ねえんでね。だから、一分線香や俄《にわ》か道化師の方が罪がなくて、おもしれえくれえのものなんだが、今日まあこうして御縁があ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
スです。「悲劇」でない悲劇。 コメディア、フィニタという文句は、パリアッチョ(道化師)という極めて近代風なオペラの終曲の主人公のアリアです。妻に裏切られた正直....
親ごころ」より 著者:秋田滋
のであるが、ジャンは、芸を仕込まれた牝山羊や軽業をする犬にとり囲まれて、年老った道化師の膝にのって、声をたててキヤッキヤッ笑っていた。 それから三日たって、夕....
澪標」より 著者:外村繁
構成させたのではないか。二人の男がタイツを履いていたのは、性欲という魔王お抱えの道化師とでもいった意か。 私はそっと妻の手を取る。妻も目覚めていて、軽く私の手....