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道徳心
「道徳心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道徳心の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
てあれば、どんな書物でも、すぐ誨淫《かいいん》の書にしてしまう。それで自分たちの
道徳心が、作者より高い気でいるから、傍《かたはら》痛い次第です。言わばあれは、猿....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
の発生するでなければ振興する見込のない一般経済界の状態は何を語るか。財産とともに
道徳心をも失った貧民と売淫婦《ばいいんふ》との急激なる増加は何を語るか。はたまた....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ら、もう研究をやめよう。と云う馬鹿もないでしょうが、あったらどうでしょう。非常に
道徳心の高い動物学者には相違ないでしょうが、しかし真理の研究者としてはほとんど三....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いとしよう。なに行ったってえいさ。いやいや行かない 方がえい。ゆくまいというは
道徳心の省作で、行きたい行きたいとするのは性欲の省作とでもいおうか。一方は行かな....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の悲劇がやって来た。兄弟|決闘おうとしたのである。 こういう場合の通則として、
道徳心の強い方が、大概決まって負けるものである。 兄と闘うより死んだ方がいい。....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
もがいているハイドのそれのような苦悶と切望とに悩まされ始めた。そして、とうとう、
道徳心の衰えている時に、もう一度あの変身薬を調合して飲んだのである。 大酒家が....
「或る素描」より 著者:豊島与志雄
来た。私は何かしら冷りとしたものを受けた。 その冷りとした感じは、私の下らない
道徳心の故だったかも知れない。なぜなら、長谷部は実に素敵なことをやってのけてしま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
断した。そのうえ彼らは、不品行そのものをも忌みきらった。彼らはきわめて信仰深く、
道徳心強く、家庭的の徳義心に厚かったので、そういう人たちの例として、彼らの考えに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
傷的な慇懃《いんぎん》さで自分の魂を披瀝《ひれき》していた。感動があふれ、高尚な
道徳心が滴《したた》り、心をこめて夢中に感情が吐露されていた。恐るべきゲルマン多....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ただ生に執着してることを、彼は驚嘆し、何物にも頼らない彼女の頑強《がんきょう》な
道徳心を、ことに驚嘆した。彼がこれまでフランスの民衆を見たのは、自然主義の小説や....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
せん。また役人が日夕かくのごとき行動を繰り返さねばならぬとすれば、ついには彼らの
道徳心が麻痺するに違いありません。真に人間らしく「良心」と「常識」とをもととして....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
斑を説き明してやりました。すると大変に感心して、シナの坊さんというものはそんなに
道徳心即ち菩提心の篤いものであるかと大いに悦んで随喜の涙に咽びました。で、その夜....