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道徳性
「道徳性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道徳性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
、自分一人浮び上るのに堪えなかった。彼はその時、ふと青木の今までの行動から、彼の
道徳性を調べて見る気になった。青木は一体盗みをするという悪癖を持っているのだろう....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
絶えず変易するものだと言い張りたい。私に普遍不易に感ぜられるものは、私に内在する
道徳性である。即ち知識の集成の中から必ず自己を外界に対して律すべき規準を造り出そ....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
或は心理小説、単なるリアリズムの作品にある種の物足らなさを感ずるのは、その作品に
道徳性の欠乏しているためではないかと思う。ある通俗小説を書く人が「通俗小説には道....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
に、三つの発展段階を含んでいる。第一は「法」(乃至「抽象的法」)であり、第二は「
道徳性」であり、第三は「習俗性」(「人倫」と訳されている)だというのである。この....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
いうものに対してきわめて広い意識を持つものであって、芸術の根底を支えるものもこの
道徳性だと思ってる。このことは幾多の芸術家の反対あるにもかかわらず、私はそう信じ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
?)が必要だというのだ。たとえばヒルシュフェルトの性科学研究の如き、ドイツ文化の
道徳性を傷つけるものであり、マルクス主義の文献の如きはドイツ的に云って不道徳この....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
団体は、インターナショナルで而も秘密結社であるにも拘らず、閣僚誰一人として、その
道徳性に疑いを※んだ者はいなかった(七月十五日付東京朝日)。 で悪者はインター....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
狩りは、身売とは無関係だというのである。で、道徳的であるべき身売防止運動のこの不
道徳性と、経済上の解決としてのナンセンスとは、農民の子女自身が一等よく科学的に認....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
道徳的優秀さと才能とを味わっていたが、またリュシアン・レヴィー・クールの面白い不
道徳性と機知とをも味わっていた。そして内心では、後者の方により多くの楽しみを見出....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だたせられて、それに我慢ができなかった。その理屈癖、不断の分析、ある一種の知的不
道徳性、などにも我慢ができなかった。この知的不
道徳性は、オリヴィエのごとく道徳的....
「哲学入門」より 著者:三木清
哲学、或いは道徳哲学、或いはまた倫理学と呼ばれている。行為という場合、普通にその
道徳性が問題にされ、行為はおよそ道徳的行為の意味に理解され、その際、道徳は知識と....
「余は大衆作家にあらず」より 著者:中里介山
ろを書いた処で大多数にそれが読まれた時はどうなるのだ、またある者は「大衆文芸とは
道徳性を含んだもので、純文芸とは
道徳性を含まぬものだ」と放言したものもある、これ....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
の精神の視野に目ざめてくるのである。 聖書を読むまでと、読後とでは、人間の霊的
道徳性はたしかに水準を異にする。プラトンとダンテとを読むと読まないとではその人の....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
くきくものだ。アメリカの禁酒法案が通過して、あのように長く行なわれたのも、婦人の
道徳性の内からの支配力がどんなに強いかの証拠であって、男子にとっては実はこれは容....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ち、聖書のなかにさまざまの疑いを、それは奇蹟に対する疑いよりも、神としての言行の
道徳性に対する懐疑が生じました。そして私は宗教が真に「実」なるものとして私のなか....